米マースのケラノバ買収、EUが競争法上の正式調査へ=関係者

6月18日、菓子大手の米マースが同業ケラノバを360億ドルで買収する計画を巡り、欧州連合(EU)欧州委員会は正式な競争法上の調査に乗り出す見通しで、一部の資産売却を迫られる可能性があると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。写真はケラノバのロゴ。ニューヨーク証券取引所で5月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[ブリュッセル 18日 ロイター] - 菓子大手の米マースが同業ケラノバを360億ドルで買収する計画を巡り、欧州連合(EU)欧州委員会は正式な競争法上の調査に乗り出す見通しで、一部の資産売却を迫られる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が18日明らかにした。
関係者によると、欧州委はマースが幾つかの加盟国内で特定製品の市場シェアが高いことや、同社の強いブランド力を持つ製品群を懸念している。
欧州委は25日に予備的な調査を終える予定だが、この間にマース側がそうした懸念を払しょくするような対策を提示する公算は乏しいという。
複数の専門家は、マースのように製品群が市場での優越的地位を生み出す、いわゆる「ポートフォリオ効果」を解決する措置を見つけ出すのは難しい面があると指摘した。
「M&Ms」や「スニッカーズ」などチョコレート菓子が主力のマースは昨年8月、「プリングルズ」などを手がけるケラノバを買収すると発表した。実現すれば業界最大級の企業買収となる。
ただ欧州の小売り事業者からは、こうした域外の巨大サプライヤー誕生を懸念する声が出ている。高いシェアを有する巨大サプライヤーは、小売り事業者の活動を制約するような力を持ちかねないからだ。