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ロシアと中国のガス交渉加速へ、中東緊迫化で=シンクタンク

2025年06月18日(水)13時36分

 ロシア政府に中国に関する助言を行うシンクタンクである中国・現代アジア研究所のキリル・ババエフ所長は、中東情勢の緊迫化により、ロシアと中国の天然ガス交渉が加速し、今年中に結論が出る可能性が高いとの見解を示した。写真は中ロの紙幣や天然ガスパイプラインの模型。2022年9月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[モスクワ 17日 ロイター] - ロシア政府に中国に関する助言を行うシンクタンクである中国・現代アジア研究所のキリル・ババエフ所長は、中東情勢の緊迫化により、ロシアと中国の天然ガス交渉が加速し、今年中に結論が出る可能性が高いとの見解を示した。

ロシアは年間500億立方メートルのガスを中国に供給するパイプライン「シベリアの力2」の建設で合意を目指してきたが、条件で折り合っていない。

ババエフ氏は「中東の緊張が急激に高まる中、北からの供給を増やすことは中国にとって有益だ」とロイターに語った。

イランとイスラエルは互いに攻撃を継続しており、緊張がさらに激化するリスクや、中東地域からの石油・ガス供給に混乱が生じる可能性が高まっている。

ババエフ氏は「ガス取引の問題は再び浮上するだろう。なぜなら、この取引は中国に安定的なエネルギー供給を保証するものだからだ。年末までにはシベリアの力2に関する決定が下されるだろう」と述べた。

ロシアのプーチン大統領は、北京で行われる抗日戦争勝利記念式典に参加するため、9月初旬に中国を訪問する予定だ。

ババエフ氏は今回の訪問について、政治的・経済的な議論に満ちたものになるだろうと述べた。

ロイター
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