原油先物上昇し2カ月超ぶり高値、米・イランの緊迫懸念で

アジア時間の原油先物は2カ月超ぶりの高値に上昇。写真は、ガスタービン発電所の近くで稼働するポンプ。2月18日、テキサス州オデッサ郊外で撮影(2025年 ロイター/ Eli Hartman)
Arathy Somasekhar
[12日 ロイター] - アジア時間の原油先物は2カ月超ぶりの高値に上昇。トランプ米大統領が中東から米政府職員を移動させると発言したことで、イランを巡る緊張が高まり原油供給が滞るとの懸念が強まった。
北海ブレント原油先物は0030GMT(日本時間午前9時30分)現在、0.15ドル(0.2%)高の1バレル=69.92ドル、米WTI原油先物は0.22ドル(0.3%)高の68.37ドル。
両先物ともに前日は4%以上急騰し、4月上旬以来の高値を付けた。
トランプ大統領は11日、中東が「危険な場所になる可能性がある」ため、米国の職員を中東から移動させていると発言、米国はイランの核兵器保有を認めないと述べた。
これに先立ち、ロイターは米国とイラクの関係筋の話として、中東地域の安全保障上のリスクが高まっていることから、米国が在イラク大使館職員の一部退避を準備しており、中東各地から軍人の家族が退去することを許可すると報じていた。
イラクはサウジアラビアに次ぐ石油輸出国機構(OPEC)第2位の原油生産国である。
また、米中貿易協定への楽観論も原油価格を押し上げた。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した先週の米国内原油在庫は360万バレル減の4億3240万バレルとなり、アナリスト予想(200万バレル減)以上の取り崩しとなった。