ニュース速報
ビジネス

伊ウニクレディト、現時点で買収戦略に進展の余地なし=CEO

2025年06月12日(木)09時47分

 6月11日、イタリアの金融大手ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO、写真)は、自身の買収戦略には今のところ進展の余地がほとんどないとの見解を示した。5月30日、ローマで撮影(2025年 ロイター/ Remo Casilli)

[ミラノ 11日 ロイター] - イタリアの金融大手ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO)は11日、自身の買収戦略には今のところ進展の余地がほとんどないとの見解を示した。ドイツのコメルツ銀行は株価が高すぎて、イタリアの同業バンコBPMはイタリア政府が事実上、買収を阻止していると理由を説明した。

2021年にCEOに就いたオーセル氏は、金利の高止まりと厳格なコスト管理のおかげで、株主が享受しているリターンを維持できるという厳格な条件を満たすのであれば、成長加速の手段として合併・買収(M&A)を活用する方針を打ち出した。ウニクレディトの株価が7倍に上昇したことを背景に昨年、コメルツ銀行とバンコBPMに触手を伸ばしたが、ドイツとイタリアの両国政府から強い反発を受けた。

イタリア政府はウニクレディトによるバンコBPM買収計画の承認に際して、ロシア事業への融資や預金の停止など条件を付けた。

オーセル氏は、現在ウニクレディトが四半期ごとに処理している支払いは約60億ユーロで、以前の250億ユーロから減っているが、この支払いに関連する10億ユーロ弱の預金が政府の条件に違反するとみなされるかどうか不明だと指摘。「この点が明確にならない限り、われわれがリスクを取る可能性はゼロであり、計画から撤退する」と述べ、BPM買収が成立する可能性は20%以下との認識を示した。

オーセル氏はCNBCの取材でコメルツ銀行の完全買収についても、約30%の持ち分から得た利益に満足しているとしつつ、「株価上昇が行き過ぎており、今の水準ではわれわれの投資家にとっての価値が見出せない」と慎重な姿勢を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

原油先物が9%超急騰、イスラエルのイラン攻撃開始受

ワールド

米ゴールデンドーム構築、マスク氏はトランプ氏と決裂

ワールド

再送イスラエルがイランに先制攻撃、核施設など標的 

ワールド

ロスへの州兵派遣、米控訴裁が継続容認 地裁命令を停
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 7
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    【クイズ】今日は満月...6月の満月が「ストロベリー…
  • 10
    【クイズ】2010~20年にかけて、世界で1番「信者が増…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 6
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 7
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 8
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中