ニュース速報
ビジネス

長期金利、さらなる上昇余地 利上げや国債買い入れ減額で=全銀協会長

2025年03月13日(木)17時42分

 3月13日、全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は足元で長期金利が1.5%を超える中、さらに上昇する余地があるとの見方を示した。写真は円紙幣。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Miho Uranaka

[東京 13日 ロイター] - 全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は13日、足元で長期金利が1.5%を超える中、さらに上昇する余地があるとの見方を示した。

福留氏は、ターミナルレート(利上げ最終到達点)に対する市場参加者の見方がこれまでの予想よりも思いのほか切り上がってきており、国債の買い控えや売りに繋がっていると分析。さらに2月や3月が国内機関投資家にとって来年度の投資計画を立てるタイミングであることも買い控えの一因と述べた。

今後については、海外経済に不確実性があり、このまま一本調子に上昇トレンドをたどっていくとは限らないものの、日銀による利上げや国債買い入れの減額により長期金利がさらに上昇する余地はあるとの見解を示した。

銀行の有価証券運用については、各行が先行きをみながらそれぞれの戦略に応じて「国債投資のエントリーポイントを探っていく局面になりつつある」と述べた。

トランプ米政権が発動した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税に対して欧州連合(EU)・カナダが報復措置を取るなど、貿易戦争の様相を示す中、銀行の顧客企業の動向について福留氏は、「不確実性に悩む人が多い」と話した。トランプ政権の掲げる関税政策の内容は多岐にわたり、具体的な着地点は不透明であることから、「ビジネス影響がなかなか見通せず事業戦略を描きづらい」といった話も出ているという。

そのうえで、経済を過度に傷つけることのない政策になるよう期待していると語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米印首脳が電話会談、関税導入後3回目 二国間関係な

ワールド

トルコ中銀が150bp利下げ、政策金利38% イン

ワールド

ウクライナ、米国に和平案の改訂版提示 領土問題の協

ビジネス

米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中