ニュース速報
ビジネス

米国株式市場=下落、雇用統計受けインフレ懸念が再燃

2025年01月11日(土)06時51分

米国株式市場は下落して取引を終えた。2013年10月撮影(2025年 ロイター)Carlo Allegri

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。12月米雇用統計が好調だったことでインフレ懸念が再燃し、米連邦準備理事会(FRB)が今年の利下げに慎重になるとの見方が強まった。

主要株価指数は2週連続で下落して取引を終えた。

CFRAリサーチの市場ストラテジスト、サム・ストーヴァル氏は、株式市場を取り巻く環境は「かなり厳しいものになる可能性がある」と述べた。

中小型株で構成するラッセル2000指数も2.27%下落した。投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス)は3週間ぶりの高水準を記録した。

米労働省が10日発表した2024年12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は25万6000人増加し、市場予想の16万人増を上回った。失業率は4.1%と、前月の4.2%から低下した。

市場は現在、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の引き下げを少なくとも6月まで待つと予想している。

証券各社もFRBの利下げ予想を修正。バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチは利上げの可能性も想定した。

S&P総合500種主要11セクターのうち大半が下落した。

米ミシガン大学が10日に発表した1月の消費者の1年先の期待インフレ率(速報値)は3.3%と、前月の2.8%から上昇し、昨年5月以来の高水準となった。

これも市場の軟調ムードに拍車をかけた。

市場の次の注目は15日に発表される消費者物価指数(CPI)となっている。

個別銘柄では、エヌビディアが約3%安となるなど、半導体株が下落。米国が早ければ10日にも新たな輸出規制を発表する可能性があるとの報道を嫌気した。

電力会社のコンステレーション・エナジーが25.16%高。独立系発電事業者の米カルパインを約164億ドルで買収することで合意した。

米アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズは17.09%下落。年間売上高と利益の見通しを引き下げたことが弱材料となった。

好決算を発表したドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは27.55%上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.24対1の比率で上回った。ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.32対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は162億4000万株。過去20営業日の平均は123億1000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 41938.45 -696.75 -1.63 42540.29 42540.29 41877.3

0

前営業日終値 42635.20

ナスダック総合 19161.63 -317.25 -1.63 19312.26 19315.11 19018.7

5

前営業日終値 19478.88

S&P総合500種 5827.04 -91.21 -1.54 5890.35 5890.35 5807.78

前営業日終値 5918.25

ダウ輸送株20種 15923.42 -183.63 -1.14

ダウ公共株15種 972.25 -15.78 -1.60

フィラデルフィア半導体 5037.47 -124.88 -2.42

VIX指数 19.54 +1.47 +8.14

S&P一般消費財 1808.57 -17.78 -0.97

S&P素材 524.63 -5.19 -0.98

S&P工業 1112.52 -12.44 -1.11

S&P主要消費財 834.54 -9.53 -1.13

S&P金融 787.16 -19.77 -2.45

S&P不動産 246.26 -6.21 -2.46

S&Pエネルギー 673.60 +2.30 +0.34

S&Pヘルスケア 1629.21 -9.43 -0.58

S&P通信サービス 344.17 -3.48 -1.00

S&P情報技術 4529.80 -103.20 -2.23

S&P公益事業 384.36 -2.21 -0.57

NYSE出来高 11.29億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 38860 - 390 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 38780 - 470 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イタリアが包括的AI規制法承認、違法行為の罰則や子

ワールド

ソフトバンクG、格上げしたムーディーズに「公表の即

ワールド

サウジ、JPモルガン債券指数に採用 50億ドル流入

ワールド

サウジとパキスタン、相互防衛協定を締結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中