ニュース速報
ビジネス

日産、生産能力と人員削減で純損益予想取り下げ 販売不振続く

2024年11月07日(木)18時42分

 11月7日、日産自動車は3000億円の黒字を予想していた2025年3月期の連結純損益を未定に変更した。写真は同社のロゴ。3月、ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/David Dee Delgado)

Nobuhiro Kubo

[東京 7日 ロイター] - 日産自動車は7日、米国や中国市場の販売不振で悪化した収益構造を改善するため、世界で生産能力を20%、人員を9000人削減すると発表した。費用の算定が困難とし、3000億円を予想していた2025年3月期の純損益予想を取り下げた。営業利益の見通しは7割引き下げた。

日産が今年度の業績見通しを修正するのは7月に続き2回目。ハイブリッド車の需要が高まる米国市場、電気自動車(EV)への急速な移行が進む中国市場で商品を投入できておらず、販売不振が続いている。特に米国は在庫を減らすため、販売奨励金が膨らんでいる。

通期の世界販売計画は365万台から340万台に引き下げた。北米を141万台から134万台に、中国を77万台から69万台に見直した。5000億円を見込んでいた連結営業利益は1500億円に下方修正した。IBESがまとめたアナリスト16人の予測平均値3593億円を下回った。

今年度の中間配当は見送り、期末配当は未定とした。

会見した内田誠社長は「販売計画がストレッチ過ぎたことは否定できない」と説明。「現在の業績悪化と市場環境を踏まえ、今後のいかなるビジネスの環境の変化にも柔軟、機敏に対応できるスリムで強靭な事業構造に再構築する」と語った。

販売不振を受け、世界で500万台程度ある生産能力を20%削減する。人員も9000人(連結の従業員数は24年3月末時点で13万3580人)減らす。生産ラインのスピードを落とすことで達成する。24年度比で固定費を3000億円、変動費を1000億円減らし、26年度までに年間販売350万台レベルで配当や成長投資を継続可能な収益構造にする。

内田氏は今月から報酬を半分返上する。12月1日付で販売と収益に責任を持つ「チーフパフォーマンスオフィサー」を任命する。来年1月と4月に経営体制を変更する。

4─9月期の連結業績は、営業利益が前年同期比90.2%減の329億円、純利益が同93.5%減の192億円だった。

自動車事業のネットキャッシュフローは9月末時点で約1兆3641億円。3月末から1819億円減少した。スティーブン・マー最高財務責任者(CFO)は「健全な水準」としつつ、「上期はあまり望ましい形ではない。自動車事業でキャッシュを生み出す力をつけていかないといけない」と語った。

日産はこの日、三菱自動車工業の持ち株34%のうち10%を三菱自に売却すると発表した。内田社長は「三菱自動車の経営戦略をサポートする」ためだとし、キャッシュフローのためではないと説明した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エネルギー高のインフレリスク、ウクライナ侵攻時より

ビジネス

OECD、26年の英成長率予想を大幅下方修正 イン

ビジネス

再送-独ポルシェSE、通期決算は9%減益 防衛分野

ビジネス

英国債市場、イラン攻撃後の市場混乱でも正常に機能=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 7
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中