ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(23日)円が対ユーロ・ドルで下落、利回り低下 株続伸

2024年04月24日(水)07時06分

<為替> 日本円がドルとユーロに対し下落した。今週の日銀金融政策決定会合を控え、日本当局による介入が引き続き警戒されている。

ユーロ/円は一時165.71円と2008年以来の高値を付けた。終盤は0.4%高の165.67円。

S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.4で、3月の50.3から大幅に上昇、約1年ぶりの高水準となった。

一方、ドル/円は一時154.88円と34年ぶりの高値を形成し、介入水準とみられている155円に迫った。終盤はほぼ変わらずの154.79円だった。

マネックスUSAの外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「ドル/円の155円水準は心理的に重要な節目」と指摘。「植田日銀総裁は円押し上げのみを目的とする利上げは行わないと何度も述べているが、25─26日に開催される会合に合わせて当局が行動を起こす可能性は大きい」と述べた。

その上で、日銀は今週の会合で金融政策を据え置く可能性が高く、一段の円安を誘発しかねないが、「160円への一段安を防ぐため、26日夜に介入が実施される可能性はかなり高い」とした。

一方、米S&Pグローバルが23日発表した4月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.9と、4カ月ぶりの低水準となった。

これがドル/円の重しになったほか、ドル指数も一時105.61と2週間ぶりの安値を付けた。終盤は0.4%安の105.66だった。

ユーロ/ドルは1.0711ドルと2週間ぶりの高値。終盤は0.5%高の1.0707ドルだった。

S&Pグローバルがまとめた4月のドイツのHCOB総合PMI速報値は50.5と、前月の47.7から上昇し、好不況の分かれ目となる50を予想外に上回った。

これを受け、ユーロ/ポンドは前日に付けた3カ月ぶりの高値0.8643ポンドに一時面合わせした。終盤は0.3%安の0.8595ポンドだった。

前日に5カ月ぶりの安値を付けていたポンド/ドルは0.8%高の1.2450ドル。S&Pグローバル/CIPSの4月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.0で、3月の52.8から上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト全員の予想を上回った。

<債券> 国債利回りが低下した。経済指標で米国の企業活動が4カ月ぶりの低水準になったことが示されたことを受けた。ただ、週内に発表される重要な経済指標が注目される中、おおむねレンジ内での取引となった。

米S&Pグローバル発表の4月の米総合PMI速報値は50.9と、4カ月ぶりの低水準。製造、サービスの両分野での減速が響いた。    

今週は25日に第1・四半期のGDP、26日に個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。

終盤の取引で10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)低下の4.596%。    

2年債利回りは5bp低下の4.925%。    

2年債と10年債の利回り格差はマイナス33bpと、3bp縮小した。

財務省が実施した690億ドルの2年債入札は堅調。最高落札利回りは4.898%%と、入札前取引を約1bp下回ったほか、応札倍率は2.66倍と、昨年12月以来の高水準となった。 

今週は総額1830億ドルの国債入札が実施される。     

<株式> 続伸。好調な企業決算が材料視された。今後発表を控える超大型7銘柄「マグニフィセント7」や他の大型成長株の四半期決算も注目される。

テスラは引け後に決算を発表した。新型モデルの発売を前倒しすると発表した。これを受け時間外取引で株価は6%上昇した。

今週はマイクロソフト、アルファベット、メタなどのハイテク大手の決算が予定されている。

ゼネラル・モーターズ(GE)は四半期決算が予想を上回り4.4%高となった。

米利下げ時期を見極めようと26日発表の3月米個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。

個別銘柄では、スポティファイが11.4%高。粗利益が初めて10億ユーロ(11億ドル)を超えたことを受けた。

GEエアロスペースは8.3%高。強気の通期利益見通しを好感した。大手医療機器サプライヤーのダナハーも四半期利益と売上高が予想を上回り、7.2%上昇した。

ジェットブルーは19%近く下げた。第1・四半期の収益が低調だったことを受け、年間売上高見通しを下方修正したことが嫌気された。

<金先物> 中東情勢緊迫化への過度な警戒感が後退し、続落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比4.30ドル(0.18%)安の1オンス=2342.10ドル。

<米原油先物> 対ユーロでのドル安を背景とした買いに上伸した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの6月物は前日清算値(終値に相当)比1.46ドル(1.78%)高の1バレル=83.36ドルだった。7月物は1.35ドル高の82.56ドル。

外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、原油が買われる展開となった。イランとイスラエル間の対立は今のところ小康状態となっているものの、イスラエルはパレスチナ自治区の最南部ラファへの軍事侵攻をなお計画中とされ、中東情勢緊迫化への警戒感は依然としてくすぶっている。

ドル/円 NY終値 154.82/154.85

始値 154.79

高値 154.87

安値 154.57

ユーロ/ドル NY終値 1.0699/1.0703

始値 1.0654

高値 1.0711

安値 1.0656

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*11.50 4.7303%

前営業日終値 92*14.50 4.7240%

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*08.00 4.6066%

前営業日終値 95*04.00 4.6230%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*25.00 4.6325%

前営業日終値 97*21.00 4.6610%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*06.38 4.9374%

前営業日終値 99*04.38 4.9710%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38503.69 +263.71 +0.69

前営業日終値 38239.98

ナスダック総合 15696.64 +245.34 +1.59

前営業日終値 15451.31

S&P総合500種 5070.55 +59.95 +1.20

前営業日終値 5010.60

COMEX金 6月限 2342.1 ‐4.3

前営業日終値 2346.4

COMEX銀 5月限 2736.2 +11.7

前営業日終値 2724.5

北海ブレント 6月限 88.42 +1.42

前営業日終値 87.00

米WTI先物 6月限 83.36 +1.46

前営業日終値 81.90

CRB商品指数 297.5391 ‐0.5704

前営業日終値 298.1095

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年1月以来の低水準

ワールド

アングル:コロナの次は熱波、比で再びオンライン授業

ワールド

アングル:五輪前に取り締まり強化、人であふれかえる

ビジネス

訂正-米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 9

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中