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キリンHD、豪ブラックモアズ買収へ 取得額約1692億円
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4月27日、キリンホールディングスは、健康食品事業を手掛ける豪ブラックモアズ株式の100%取得に向けて手続きを開始すると発表した。写真は茨城県取手市で2017年7月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 27日 ロイター] - キリンホールディングスは27日、サプリメントなどの健康食品事業を手掛ける豪ブラックモアズ
1932年にオーストラリアで創業したブラックモアズは、サプリメントや粉ミルクのほか、ペット向けの健康食品を強みとしている。
ブラックモアズは創業地のオセアニアのほか、シンガポールをはじめとする東南アジア、韓国、中国などに進出。キリンHDの南方健志ヘルスサイエンス事業本部長は「これまでカバーできなかったエリアをお互いが補完し合う形となる」と語った。5年内には10億人以上の顧客を取り込めるポテンシャルがあると見込む。
キリンHDは、2022年の国内ビール・スピリッツ事業と飲料事業を合わせた売り上げがHD全体の半分を占める。日本のビール市場は94年をピークを減少傾向にあり、各飲料メーカーが再編を模索する中、医領域やヘルスサイエンスにも注力する。
ヘルスサイエンス事業では、2019年にファンケルと業務提携しているほか、免疫機能の向上が期待できる「プラズマ乳酸菌」を配合した商品開発などを行っている。
南方氏は「(キリンは)プラズマ乳酸などのスペシャリティ素材を保有しているので、ブラックモアズが有する販売網や規制に対する知見を活用し、価値の向上につなげていきたい」と語った。
オーストラリア証券取引所(ASX)に上場するブラックモアズは、買収成立後上場廃止となる見通し。再上場は検討していないという。キリンHDは株式取得に伴う業績への影響などは今後、明らかになった時点で速やかに開示するとしている。
27日のオーストラリア株式市場で、ブラックモアズの株価は買収価格にサヤ寄せする形となり、一時22%超高の94豪ドルをつけた。
(佐古田麻優)