ニュース速報

ビジネス

米政権の経済課題は「現代のサプライサイド経済学」=財務長官

2022年01月22日(土)07時49分

イエレン米財務長官は、バイデン政権の掲げる経済アジェンダを「現代のサプライサイド経済学」と命名し、米潜在成長率押し上げとインフレ圧力緩和につながる労働供給の拡大や、インフラ・教育・研究の改善を推進する内容と表明した。1月19日、ワシントンで撮影(2022 年 ロイター/Jonathan Ernst/File Photo)

[ワシントン 21日 ロイター] - イエレン米財務長官は21日、バイデン政権の掲げる経済アジェンダを「現代のサプライサイド経済学」と命名し、米潜在成長率押し上げとインフレ圧力緩和につながる労働供給の拡大や、インフラ・教育・研究の改善を推進する内容と表明した。

イエレン長官は世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会議で「われわれの新たなアプローチは、既存のサプライサイド経済学よりもはるかに有望」と強調。共和党が目指す減税や規制緩和を柱とした伝統的なサプライサイド経済学は「成長押し上げで失敗した戦略」という考えを示した。とりわけ規制緩和については二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組むでも奏功していないと指摘した。

イエレン長官は、米経済の供給サイドのニーズの中心は労働力の確保であり、労働力はパンデミック(世界的大流行)によって、また育児や高齢者介護などに関する政策の欠如によって制約されていると主張。「現代のサプライサイド経済学は、不均衡や環境への影響を減らすと同時に労働供給の拡大や生産性向上によって経済成長の促進を目指す」とし、「本質的に持続不可能な成長率の達成に焦点を置くのではなく、包括的かつグリーン成長を目指す」と言明した。

また、2年間の幼児教育と所得税減税の拡大をバイデン大統領が看板政策に掲げる気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」の「核」と位置付けた。

同法案の議会審議は停滞しており、改めて支持を訴える狙いがあるとみられる。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

米3月求人件数848.8万件、約3年ぶり低水準 労

ビジネス

米ADP民間雇用、4月は19.2万人増 予想上回る

ビジネス

EXCLUSIVE-米シティ、融資で多額損失発生も
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中