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ドル2カ月半ぶり安値、インフレ観測が重し=NY市場

2021年05月11日(火)07時16分

5月10日、 ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策を維持する中、インフレが上向けばドルの価値が目減りするとの見方が出ていることを背景に、ドルが2カ月半ぶりの低水準で推移した。写真は米ドル紙幣。7日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策を維持する中、インフレが上向けばドルの価値が目減りするとの見方が出ていることを背景に、ドルが2カ月半ぶりの低水準で推移した。

普通国債と物価連動債(TIPS)の利回り格差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、この日の取引で5年物が2011年4月、10年物が13年3月以来の高水準を更新。こうした中でも、7日発表の4月の雇用統計で雇用の伸びが予想を大幅に下回ったことで、物価が上昇したとしてもFRBは低金利政策と資産買い入れ策を維持するとの見方が強くなっている。

BNPパリバの北米外為戦略部門責任者、Daniel Katzive氏は「実質利回りの低下が続いていることが、ドルの最大の重しになっている」と指摘。BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略部門グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏は「FRBは23年までインフレ高進を容認するだろう。22年に利上げに踏み切ったらかなりの大きなサプライズになる」と述べた。

今週は12日発表の消費者物価指数(CPI)と14日発表の小売売上高が注目されている。

主要6通貨に対するドル指数は一時2月25日以来の安値を更新。その後は0.06%高の90.205。

英ポンドは対ドルで1.416ドルと、2月25日以来の高値を更新。その後は1.02%高の1.413ドル。

カナダドルも対米ドルで上昇し、0.36%高の1.209米ドルと、17年9月以来の高値を付けた。

暗号資産(仮想通貨)のイーサは続伸し、4148.88ドル。月初からの上昇率は41%に達した。

ドル/円 NY終値 108.78/108.81

始値 108.73

高値 108.87

安値 108.66

ユーロ/ドル NY終値 1.2129/1.2131

始値 1.2164

高値 1.2177

安値 1.2129

ロイター
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