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NY市場サマリー(22日)

2018年02月23日(金)07時41分

[22日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場は、ドルが主要6通貨バスケットに対し下落。前週付けた3年ぶり安値からの回復ペースが失速した。一方、円は対ドルで急伸。ボラティリティーが高まる中、逃避先として投資妙味が増している。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.31%安の89.724。前日は、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて追加利上げ観測が高まり、ドル指数は0.3%上昇した。前日までの3営業日で前週末につけた88.253から約2%上昇していた。

シリコン・バレー銀行のシニア為替トレーダー、ミン・トゥラング氏は「好材料はかなり存在していると言える。FOMC議事要旨を手掛かりにポジションを再調整するには悪い時期ではないだろう」と語った。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は、米国債利回りが幾分低下したこともドル売りを誘った可能性があると指摘した。

ユーロ/ドルは上昇。欧州中央銀行(ECB)が同日公表した1月25日の理事会の議事要旨では、インフレ率が目標水準に上昇するとの確信が強まっているとしても、政策の正常化の伝達スタンスを変更するのは時期尚早との考えが示されていたことが分かった。

<債券> 米金融・債券市場では、国債価格が一時の上げを縮小。午後に入り実施された7年債入札に対する需要が比較的低調となったことに反応した。

総額290億ドルの7年債入札は最高落札利回りが2.839%と、入札前(WI)取引の水準を約0.6ベーシスポイント(bp)上回った。WI取引では3bp超低下していた。応札倍率は2.49倍と、昨年11月以来の低水準となった。中国や日本などの直接入札者による落札比率は、昨年9月以来の高水準になった。

米税制改革や歳出増見通しを背景に、財務省は今週20─22日にかけ、総額2580億ドルの国債入札が実施。2010年8月の約2590億ドルに次ぎ、過去2番目の高水準となる。

DRWトレーディングの市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は7年債入札について「流通市場の価格を幾分下回り、応札倍率も低めだった。だが、直接入札者から平均以上に強い引き合いがあった」と語った。

終盤の取引で、7年債は2/32高、利回りは2.842%。利回りは入札前2.822%まで低下する場面もあった。

10年債は4/32高、利回りは2.926%。前日は4年ぶりの水準となる2.957%に上昇していた。

<株式> 米国株式市場は、米国債利回りの低下を受けてダウ工業株30種とS&P総合500種が3日ぶりに反発して取引を終えた。工業株やエネルギー株が主導した。一方、ナスダックは3日続落となった。

主要株価指数はこの日、米連邦準備理事会(FRB)が行き過ぎた回数の利上げを実施することによる影響に懸念を示したセントルイス地区連銀のブラード総裁の発言を受け、序盤にはそろって反発。米10年債利回りも前日に付けた約4年ぶりの高水準から低下した。ただその後、金利上昇への警戒感から値を削った。

ジョーンズトレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「金利動向がはっきりするまで株に積極的な買いを入れることはしない」と述べ、金利は恐らく高い水準で落ち着く見込みで、そうなれば株にとって問題となると付け加えた。

工業株では、決算を発表した建設・エンジニアリングのクアンタ・サービシーズが3.04%高となった。航空機器メーカーのユナイテッド・テクノロジーズも、分社化を検討していると明らかにしたことを好感して3.34%上昇した。

米原油在庫が予想に反して減少し、原油価格が上昇したことを受け、エネルギー株.SPNYも買われた。チェサピーク・エナジーは、第4・四半期決算と今年の見通しを好感して21.67%急伸。1日の上昇率としては2016年4月以来の大きさとなった。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を消化し、ほぼ終日にわたってレンジ商いとなった。

対ユーロでのドル安を背景にドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じ、金塊が買われた。ただ、積極的な買いにつながる材料にも欠け、相場の上値は重かった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国内の需給不均衡に対する懸念が和らぐ中、反発した。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した在庫週報によると、16日までの1週間の原油在庫は前週比160万バレル減と、市場予想(ロイター拡大版調査)の180万バレル増に反して予想外の取り崩しとなり、4週ぶりに減少した。

ロイター
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