ニュース速報

ビジネス

オープン外債の積み増し継続、円債は慎重姿勢=明治安田生命・下期運用計画

2016年10月25日(火)18時53分

 10月25日、明治安田生命保険は2016年度下期の運用計画を発表し、引き続き外債投資を増加させる方針を示した。為替動向などを見極めつつオープン外債を積み増す。一方、円債はクレジット資産を積み増しつつ、横ばいを計画する。写真はブダペストで2011年11月撮影(2016年 ロイター/Laszlo Balogh)

[東京 25日 ロイター] - 明治安田生命保険は25日、2016年度下期の運用計画を発表し、引き続き外債投資を増加させる方針を示した。為替動向などを見極めつつオープン外債を積み増す。一方、円債はクレジット資産を積み増しつつ、横ばいを計画する。

2016年度上期末のポートフォリオ状況は、円債が15年度末比200億円の減少(簿価ベース)。外債は、決算取引を除いた期中純増額が2800億円となった。このうちオープン外債は1700億円、ヘッジ付外債は1100億円の増加。米国の住宅ローン担保証券(RMBS)、TLAC(総損失吸収力)債、インフラ関連の私募債などを買い入れたという。

円債も償還などで200億円の減少。日本国債の買い入れに慎重な姿勢を続けた一方、AT1債(CoCo債=偶発転換社債=と呼ばれる債券の一種)やハイブリッド債などを積み増した。

同社執行役副社長・資産運用部門長の山下敏彦氏は、円債の投資方針について「ALM(資産・負債の総合管理)推進の観点から、中心となる資産であることには変わりはない」としながらも、「現在の超長期の金利水準では、デュレーションを長期化してALMをさらに推進する水準にはない」と指摘。下期も慎重に対応し、利回り確保を前提にクレジット資産を積み増す考えを示した。

一方、オープン外債は下期も基本的に積み増す方針。ヘッジ付外債は、ヘッジコスト等を含めたトータルリターンで、円債に比べ妙味があれば積み増す。現状の金利水準であれば、引き続き米ドルが中心となる見通しという。

株式は横ばいを計画。投資信託を通じた国内株への投資は継続して取り組む。外国株等は、外国公社債ファンド、外株ファンドは積み増すが、円建て優先出資証券の償還があることから、全体としては横ばいを計画する。

2016年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.10―0.05%(年度末▼0.05%)

米10年債利回り    1.30─2.10%(同1.90%)

米ダウ         16000─20000ドル(同19500ドル)

日経平均        1万5000─1万8500円(同1万7500円)

ドル/円        95―115円(同105円)

ユーロ/円       100―125円(同113円)

(長田善行 編集:吉瀬邦彦)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送米、民間人保護計画ないラファ侵攻支持できず 国

ビジネス

米財務省、中長期債の四半期入札規模を当面据え置き

ビジネス

FRB、バランスシート縮小ペース減速へ 国債月間最

ビジネス

クアルコム、4─6月業績見通しが予想超え スマホ市
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中