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円債は国債・クレジットともに償還などで純減=16年度下期・第一生命運用計画

2016年10月25日(火)17時05分

 10月25日、第一生命保険は、2016年度下期の一般勘定資産運用計画について、国債、クレジットなど円債の残高が償還などにより純減するとの見通しを示した。写真は都内の同本社で2010年4月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 25日 ロイター] - 第一生命保険<8750.T>は25日、2016年度下期の一般勘定資産運用計画について、国債、クレジットなど円債の残高が償還などにより純減するとの見通しを示した。ヘッジ外債の残高は横ばいと見込むものの、国内外の金利動向次第で積み増しを判断する。外国株、オルタナティブは新規分野への投資を強化し、残高の増加を見込んでいる。

同社の運用企画部運用企画室長の渡辺康幸氏が25日に行った運用計画説明会で明らかにした。

円建債券への投資は、低金利環境を考慮し、抑制傾向を維持する。上期はインフラ・プロジェクトファイナンス関連へのクレジット投資が増加したが、下期は国債が引き続き純減、クレジットも償還などにより小幅純減を見込んでいる。日銀が9月の決定会合で金融政策の枠組みを変更した影響については、「すでに13年度下期から国債の新規投資を行っていないため、直接的な影響はない。20年債利回りが足元で落ち着いてきたことは保有資産に良い影響を与えている」(渡辺氏)という。同社のストックベースの円債利回りは現状で2%弱を維持している。

ヘッジ外債は上期に国内外の金利動向を踏まえて残高を大幅に積み増した。積み増し額は4―6月期だけで約8000億円(7―9月期は未公表)に達した。下期は残高をおおむね横ばいと見込んでいるが、「ヘッジ後利回りは相応に魅力的」(渡辺氏)であるとし、引き続き国内外の金利動向次第で積み増しを判断する。一方、オープン外債は米大統領選に伴う政治的な不透明感や英国の欧州連合(EU)離脱決定などを受けて、上期に残高を減少させたが、下期は為替水準次第で機能的にコントロールする。

国内株は、上期の残高が市場動向を踏まえて減少(デリバティブを含む)した。下期は株価水準次第で残高をコントロールする。成長株投資の継続に加え、新規分野などへの取り組みを進めるという。

外国株とオルタナティブは下期増加を予定している。ヘッジファンドではポートフォリオ全体のリスク分散につながるファンドへの入替を継続。プライベートエクイティでは新規分野への投資を強化するとしている。

インフラ投資や航空機ファイナンスなどの実物資産投資は、引き続き注力領域として強化する方針。「インフラファンドと直接投資の両面から効率的に新たな市場にアクセスする」(渡辺氏)という。同社は13年―15年度に2000億円超の成長分野投資を行ってきたが、今年度以降は目標額を設定していない。投資のクオリティを下げず、キャッシュフローの安定している分野に投資する方針だ。

今年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り  ▼0.20―0.10%(年度末0.00%)

米10年債利回り     1.50─2.30%(同2.00%)

日経平均         13000─20000円(同17500円)

米ダウ          15500─19000ドル(18000ドル)

ドル/円         95―115円(同107円)

ユーロ/円        105―130円(同117円)

(河口浩一)

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