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昭シェルとの統合反対、妥協の可能性否定=出光創業家代理人
7月1日、出光興産創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士は、ロイターとのインタビューで、白紙撤回を求めている昭和シェル石油との経営統合について出光経営陣と妥協する意思がないことを強調した。写真の出光の看板は都内ガソリンスタンドで昨年11月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 1日 ロイター] - 出光興産<5019.T>創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士は1日、ロイターとのインタビューで、白紙撤回を求めている昭和シェル石油<5002.T>との経営統合について、「条件を話し合うつもりはない」と述べ、出光経営陣と妥協する意思がないことを強調した。
出光は年内にも臨時株主総会を開き、来年4月の昭和シェルとの合併の承認を求める方針。浜田氏はインタビューの中で、他の投資家に反対への同調を求めるかどうかは「白紙」とする一方、「向こう(出光経営陣)がどう出てくるか、それに対してわれわがどう対応するかだ」と、まずは出光側の対応を注視する姿勢を示した。
今後の経営陣との話し合いについては、「一切拒否をするということない」としながらも、「こちらから話をしようというのはしばらくない」とも述べた。
浜田氏は出光興産の筆頭株主である日章興産の代表取締役で、創業者の長男で元社長の出光昭介氏の代理人を務めている。
浜田氏は6月28日に行われた株主総会で、創業家の代理として昭和シェルとの合併に対して反対を表明。財団などの持つ同社株を含め、特別決議で拒否権のある3分の1超を保有すると主張している。
反対の理由として、企業文化の違いのほか、出光がイランと親密な関係であるのに対して、昭和シェルはサウジアラビアのサウジアラムコが大株主であることをあげている。
浜田氏は「(創業家から反対を)突然言われて、(出光側が)どうしてくれるんだとおっしゃるかもしれないが、われわれは12月と5月に反対の見解を経営陣に提出している」と述べた。
同氏によると、これまで創業家は「出光昭介氏の哲学としてけんかをしたくない」との配慮からと反対の立場を公にしていなかったが、定時株主総会の時期を迎え、同氏が「これが意見表明する最後のチャンス」と進言し、白紙撤回の要求に踏み切ったという。
(浦中大我 月森修 編集:北松克朗)