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米4月小売売上高1.3%増 1年1カ月ぶりの大きな伸び

2016年05月14日(土)00時43分

 5月13日、4月の小売売上高は前月比1.3%増と昨年3月以来1年1カ月ぶりの大きな伸びとなった。フロリダ州のモールのようす。3月撮影(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

[ワシントン 13日 ロイター] - 米商務省が13日発表した4月の小売売上高は前月比1.3%増と昨年3月以来1年1カ月ぶりの大きな伸びとなった。市場予想の0.8%増を上回った。自動車をはじめ幅広い品目で販売が増え、第1・四半期にほぼ失速状態に陥った米経済が勢いを取り戻しつつあることを示唆した。

3月の数字は0.4%減から0.3%減に改定された。

キャピタル・エコノミクス(トロント)の米国エコノミスト、スティーブ・マーフィ氏は、最近の米消費動向をめぐる悲観的な見方が行き過ぎだったことが今回の統計からうかがえると述べた。

ミラー・タバク(ニューヨーク)の首席経済ストラテジスト、アンソニー・カリダキス氏は、統計が6月利上げに向けた支援材料となるのは確かだが、特に6月上旬に発表される雇用統計の内容がよほど強くならないかぎり、その可能性は低いのではないかと指摘した。

自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高は0.9%増だった。市場は0.3%増を予想していた。3月の数字は0.1%増から0.2%増に改定された。コア売上高は、国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。

小売売上高の幅広い伸びは、力強さを欠く需要と格闘してきた小売業を救うとともに、年率0.5%に落ち込んだ第1・四半期の経済成長率が再び加速し始めたことを示唆する。米経済は昨年の第4・四半期には1.4%の成長を遂げていた。

小売売上高が精彩を欠いている理由のひとつとして、雇用市場が引き締まっているにもかかわらず、賃金の伸びに力強さがないことがある。エコノミストらは、過去1年半にわたって続くガソリン安の恩恵の一部が、家賃や医療費の値上がりで消えてしまったとも指摘している。

百貨店のメーシーズ やノードストロームなどの小売り大手は今週、四半期の売上高が急減したと発表し、通年の利益見通しを引き下げた。

4月は自動車の売り上げが3.2%増と昨年3月以来の大きな伸びとなった。3月は3.2%減だった。ガソリンスタンドの売り上げは、最近のガソリン価格の上昇を反映して2.2%増となった。

衣料は1.0%増と昨年5月以来の大幅な伸びだった。オンライン販売は2.1%増で、こちらは2014年の6月以来の大きな増加だった。スポーツ用品やホビー関連は0.2%の増加だった。

電化製品の販売は0.5%増えた。飲食も0.3%増えた。一方、建材や園芸用品は1.0%減と昨年8月以来の大きな落ち込みを記録した。

ロイター
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