大坂のアプローチは、アメリカ社会の意識の変化に沿っているように見える。最近の調査によると、アメリカのスポーツファンの73%は、プロスポーツ選手の政治的発言や活動を容認もしくは支持している。アスリートによる政治的発言を受け入れ難いと答えた人は、わずか12%にとどまった。NBA選手のジェレミー・リンなど、多くの著名なアジア系アメリカ人も、アジア系への暴力に抗議している。

アメリカ社会が人種差別を克服するまでには、まだ長い時間がかかりそうだ。それでも、寡黙で気品がある松山の振る舞いは、アメリカにおけるアジア人の地位向上の一助になる可能性がある。一方、変革を求める大坂の言葉は、人々の意識を変え始めているように見える。

アメリカの人種問題の大きさを考えれば、これは小さな一歩にすぎないかもしれない。しかし、この2人の日本人アスリートの行動は、肌の色などの外見ではなく、あくまでも能力を基準に人が評価されるという理想の社会に向けた一歩になるだろう。

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