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高市大臣の「8割大陸」発言、曖昧決着は許されない
高市大臣も、講演の内容については、クローズドな会合であったとして明らかにはしていない。講演の内容が実際はどうだったのかが明らかになっていない以上、「国葬反対8割大陸」発言の疑惑が晴れることはない。
高市大臣は、そもそも「大陸」という言葉を自分は使わないと述べている。しかし「大陸」は中国を表す隠語であって、高市大臣は中国あるいは別の中国を表現する言葉を言ったのを、小林議員が言い換えただけかもしれない。先に取り上げた小林議員とは別の講演報告ツイートでは、「支那」という中国に対する差別用語が使われている。「大陸」という言葉があったか否かは重要なポイントではない。
言葉を濁す他の参加者
AERAの取材によれば、会合に出席した他の地方議員たちは、その多くがはっきりした否定の言葉を述べていないという。「記憶にない」「席を外していた」など曖昧な返答が並ぶ。しかし一人だけある市議が、高市大臣の「個人的な感想」として「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸の人かなと思っている」といった発言があったと証言している。この市議は、それは大臣による参加者への「リップサービス」ではなかったか、と想像している。
この市議の証言や先述のスクリーンショットのことを考えると、一字一句同じではないとしても、「国葬反対8割大陸」に相当する何らかの発言はやはりあったのではないか、と考えてもよさそうだ。
高市大臣は安倍元首相に近かった政治家で、講演の会場には安倍元首相の遺影なども置かれていたという。従って安倍元首相の国葬に関してリップサービスをしてしまうことはあり得るのは理解できる。
しかしながら、クローズドな場のジョークだったとしても、安倍元首相の国葬に反対していたのは海の向こうの「敵」なのだという排外主義思考に基づくジョークは現役大臣として許されるものではない。また、排外主義的なリップサービスが求められてしまう「日本会議東海地方議員連盟設立総会」なる会合がそもそも問題だったのではないかという見方もできる。
小林貴虎議員は発言の責任を取って三重県議会の戦略企画雇用経済常任委員会の委員長を辞任し、なお党や議会の処分を待つ身分だ。小林議員の発言が根も葉もないものだったとした場合、大きなスキャンダルを捏造された高市早苗大臣はもっと怒ってもよさそうなものだが、大臣は「大切な自民党の来年の候補予定者なので、ここまでにしたい」と曖昧な決着を示唆する発言をしている。
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