コラム

北カフカスで全指紋を採取せよ

2010年03月08日(月)15時48分

 ロシアの検事総長事務局調査委員会のアレクサンドル・バストリキン委員長の野望は見上げたものだ。

 



 あるロシア高官が、治安の不安定なロシア・北カフカス地方の全住民の指紋をデータベース化することを提案した。RFE/RL(自由欧州放送・自由放送)の北カフカス局が伝えた。

 提案者はロシア検事総長事務局調査委員会のアレクサンドル・バストリキン委員長だが、彼は3月4日に別の計画も提示していた。北カフカス地方のすべての自動車を再登録させ、新しいナンバープレートを支給するというものだ。

 バストリキンは、こうした対策が北カフカス地方の「安定化」を助けるとしている。


 北カフカス地方の人口は550万人あまり。人権団体モスクワヘルシンキグループ代表のリュージミラ・アレクセーエワは、この提案は「差別的だ」と批判した。だがその点こそが、彼の意図するところではないか。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年03月05日(金)14時58分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 05/03/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、外資に再投資奨励 対中投資の減少に対応

ビジネス

印政府シンクタンク、中国企業による投資規制の緩和提

ビジネス

ウェルズ・ファーゴ従業員の出国禁止、中国ビジネスへ

ワールド

アングル:米がレアアースの中国覇権切り崩しへ、高値
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 5
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 9
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story