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米政府で次々と要職に就くテック企業重役
ホワイトハウスは、2月に政府で最初のデータ・サイエンティストを任命した。データ・サイエンスと言えば今、もっともホットなビジネスの領域である。あらゆる場所で刻々とデータが生み出され続けるこのビッグデータ時代に、膨大な量に上るそうしたデータを解析し、統計学などの専門的な視点も加味して、社会や人々の生活の中にこれまでは見えなかった現象や動きを発見する。そんなかっこいい専門分野を取り入れるとは、古くさくて鈍いという政府のイメージをすっかり書き換えるほどのインパクトである。
そのデータ・サイエンティストに選ばれた人物が、また人々を驚かせた。DJパティル氏は、イーベイやリンクトイン、セールスフォース・ドットコムの子会社などに在籍したバリバリのデータ・サイエンティストで、そもそも「データ・サイエンティスト」ということばを生み出した人物とされている。彼が、データ・サイエンスの重要性を指摘したことによって、今やIT企業、メーカー、NPO、メディアまで、データを理解し、データを駆使して新しい視点を得ようとしているのだ。パティル氏は就任後、医療保険サイトを対象にした仕事に取りかかる。オバマ政権の医療保険改革の一環として、データ・サイエンスを利用するということだ。
ホワイトハウスが、こうした現代的なテクノロジー職を設けるのは実はこれが初めてではない。CTOやCIO職は2009年からあり、すでに何人か代替わりしている。また、先月は初めてのチーフ・デジタル・オフィサー、ホワイトハウス付きのディレクター・オブ・ITも任命されている。
そうした職が政府に設けられるのも興味深いが、どのポジションにもおもしろいバックグラウンドの人材を抜擢している点も驚く。現CTOであるミーガン・スミス氏の前職はグーグルの副社長。ビジネス開発や先端研究部門のグーグルXを率いており、それ以前は起業家だった。
また現CIOは、パティル氏と同時に任命されたトニー・スコット氏。彼は、企業向けIT技術開発会社のVMウエアで上級副社長兼CIOを務めていた。政府が第一級のデジタル・サービスを提供し、同時に政府のIT資産や情報を護るのがその役割だ。
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