- HOME
- コラム
- サイエンス・ナビゲーター
- 幻の常温常圧超伝導ニュースを超えた! 京大チームが…
幻の常温常圧超伝導ニュースを超えた! 京大チームが超伝導体で「ノーベル賞級」の大発見か
研究チームの一員であるカナダのブリティッシュ・コロンビア大のフセイン博士は、「最初は、それが何なのかまったく分かりませんでした。しかし、いろいろなことを除外していくうちに、本当に悪魔を見つけたのではないかと疑い始めたのです」と振り返ります。
「パインズの悪魔」を捉えたことを明らかにするために、研究チームはイリノイ大の理論物理学者のグループに新たに研究に参画してもらいました。観測データと理論チームによるストロンチウム・ルテニウム酸化物の電子構造の特徴をもとにした計算を突き合わせると、今回の観測結果は「パインズの悪魔」の特性を確かに示していました。
また、科学の新発見には「再現性」が必要不可欠です。同チームは繰り返し実験を行い、繰り返し悪魔粒子の検出に成功しています。
研究者たちは、今後はまずストロンチウム・ルテニウム酸化物を使って、パインズの悪魔の性質を詳しく調べていくといいます。
これまでの実験から、悪魔粒子の出現とともに電子の保持するエネルギーに変動が起きていることが判明しています。もしかしたら、悪魔粒子は超伝導を引き起こすための重要な役割を担っているのかもしれません。悪魔粒子と超伝導の関連性を知ることができれば、今度こそ常温超伝導体を十分な再現性をもって作成できるかもしれませんね。

アマゾンに飛びます
2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
「この名前を与えてもらって感謝」油井亀美也宇宙飛行士に聞いた、「亀」の支えと利他の原点 2025.06.10
昆虫界でも「イクメン」はモテる! アピールのために「赤の他人の卵」の世話すらいとわず 2025.05.17
地球の自転で発電する方法が実証される──「究極のクリーンエネルギー」実用化の可能性は? 2025.04.04