「決められたこと」しかできない日本の介護は、もっと自由でいい
「世代間シェアハウス」も誕生
このアイデアの延長で「世代間シェアハウス」も誕生している。これは既に軌道に乗った高齢者シェアハウスに若者を受け入れるもの。若者は大学生だったり、シングルマザーだったりする。その草分けである北部のパドバ市は趣旨をこう説明する。「本計画は決して福祉的なものではなく、むしろ若者と65歳以上の市民との世代間協定として構成されている」
日本では多くの高齢者がなるべく長く1人暮らしすることを望むだろうから、同じように広がるとは考えにくい。実はイタリアでもシェアハウスは主流ではない。日本でも入りたい人だけ入るパイロット事業から出発したらいい。入ったほうが電球交換をしてくれる人がいない、という小さな悩みは避けられそうだ。
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

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