最新記事
紅海

紅海で米コンテナ船にミサイル直撃、フーシ派の標的拡大?でタンカーが相次ぎ航路変更

2024年1月16日(火)10時02分
紅海に向かう船舶

イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する米軍主導の攻撃が続く中、新たに少なくとも6隻の原油タンカーが海運の要衝である紅海南部の航行を回避したことが分かった。2017年、紅海に向かう船舶をスエズ運河で撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh/File Photo)

カタールが紅海経由の液化天然ガス(LNG)輸出を一時停止したほか、少なくとも6隻の原油タンカーが新たに紅海の航行を回避するなど、海運の要衝である紅海での運航の混乱がエネルギー分野に波及し始めている。

米軍による短文投稿サイトのX(旧ツイッター)への投稿によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が発射した対艦弾道ミサイルが15日、米国が所有・運航を手掛けるマーシャル諸島船籍のコンテナ船に直撃。ただ負傷者や大きな被害はなく、コンテナ船は運航を続けているという。[nL6N3E50EX]

 

フーシ派はこれまで、イスラエルの船かイスラエルに向かう船だけを標的にするとの見方を示してきたが、今回の攻撃で標的が拡大する可能性がある。

このような不安定な状況下で、世界最大級の液化天然ガス(LNG)輸出企業であるカタールエナジーは紅海経由の輸出を一時停止。関係筋によると、生産は継続しているが、週末にかけて少なくとも4隻のLNGタンカーの運航を停止した。[nL6N3E508V]

また、ロイターはLSEGとKplerの船舶追跡データを利用し、15日に少なくとも6隻のタンカーが進路を変更したと確認。米軍主導の最初の攻撃以降、少なくとも計15隻が進路を変更した。紅海ルートを回避する船舶は今後も増えるとみられている。[nL6N3E50ET]

同地域では14日、フーシ派支配地域から紅海南部で活動していた米ミサイル駆逐艦ラブーンに向けて発射された対艦巡航ミサイルを米戦闘機が撃墜したと米中央軍が発表している。[nL6N3E5046]

LSEGのデータによると、欧州のベンチマークガス市場であるオランダのTTFハブにおける欧州の基準ガス価格期近物は15日午後の取引で1.94ユーロ安の1メガワット時当たり29.66ユーロとなった。

アジアのスポットLNG価格は先週末12日、100万英国熱量単位(mmBtu)当たり10.10ドルと7カ月ぶりの安値を付けた。

原油価格は15日、1%超下落。中東での紛争が原油生産に与える影響は限定的との見方から利益確定売りが優勢となった。原油価格は先週2%上昇していた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

韓国外貨準備、4月は19カ月ぶり大幅減少 介入で

ビジネス

テスラがソフトウエアやサービスなどの部門でレイオフ

ワールド

ヨルダン国王、イスラエルのラファ侵攻回避訴え 米大

ビジネス

米商工業と家計の借り入れ需要減退=FRB融資担当者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 2

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 7

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 10

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中