最新記事

中台関係

すでにスタンバイ──中国との軍事的緊張が走る台湾で、市民も支持する防衛力強化とは

2022年12月12日(月)12時10分
ジョン・フェン
軍事訓練

軍事訓練義務が4カ月から1年に延長される ANN WANGーREUTERS

<2013年に1年間の兵役が4カ月の軍事訓練に短縮されたが、それを1年に延長する計画が進む台湾。背景にはロシアによるウクライナ侵攻、そしてアメリカの「援護射撃」も>

中国との軍事的緊張が高まる台湾で、18歳以上の男性に義務付けられている軍事訓練の期間を4カ月から1年に延長する計画が進んでいる。

邱国正(チウ・クオチョン)国防部長(国防相)は12月7日、行政院(内閣に相当)が年内に計画を発表すれば2024年に新制度に移行できると明言。発表が来年にずれ込むと施行のタイミングが1年遅れるとして、早期決着に意欲を見せた。地元メディアは22日に発表される可能性があると報じている。

台湾では中台関係が比較的安定していた13年に、1年間の兵役が4カ月の軍事訓練に短縮された。だが、中台統一に反対する蔡英文(ツァイ・インウェン)政権は防衛力を強化する方針を強調。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、訓練期間の延長を支持する世論の声も強まっている。

アメリカの援護射撃もある。12月8日に米下院で可決された国防権限法案には、23~27年に台湾に100億ドルの軍事支援を行う方針が盛り込まれた。台湾の市民が銃を手に中国軍と戦う日が来るのか。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

バイデン大統領は「ゲシュタポ政権」運営、トランプ氏

ワールド

ロシア、ゼレンスキー大統領を指名手配

ワールド

インドネシアGDP、第1四半期は前年比+5.11%

ワールド

パナマ大統領選、右派ムリノ氏勝利 投資・ビジネス促
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中