最新記事

感染症対策

WHO、コロナパンデミックの緊急事態脱却計画を公表

2022年3月31日(木)10時47分
WHOのテドロス事務局長

世界保健機関(WHO)は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する最新計画を公表した。写真はテドロス事務局長。ドイツ・マールブルクで2月16日撮影(2022年 ロイター/Fabian Bimmer)

世界保健機関(WHO)は30日、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する最新計画を公表した。パンデミック(世界的大流行)緊急事態の終了に向けた主要戦略となる。

計画には今後1年間にウイルスがどのように進化するかについて、3つのシナリオを盛り込んでいる。

テドロス事務局長は、ブリーフィングで「現在分かっていることに基づくと、最も可能性の高いシナリオは、ウイルスは進化を続けるが、ワクチン接種や感染による免疫力の上昇により、重症度が時間とともに低下することだ」と述べた。

この基本シナリオでは、免疫力の低下につれて断続的にそれほど深刻ではない感染拡大が引き起こされる。最もリスクの高い人にはワクチンの追加接種が必要となる可能性がある。このウイルスはインフルエンザと同じように、寒い時期にピークを迎える季節性パターンを示す可能性がある。

WHOの楽観的な最良のシナリオでは、将来の変異株は「重症度が著しく低い」とされ、重症化からの保護効果が長期間続き、将来の追加接種や現行ワクチンの大幅な改良は必要ないとされている。

最悪のシナリオでは、ウイルスは新たな感染力の強い致命的な脅威に変わり、ワクチンの効果が低下し、重症化や死亡に対する免疫が急速に低下するため、現行のワクチンに大幅な改良を加え、リスクの高い人に対して幅広く追加接種を行う必要があるとされた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習

ワールド

ロシア、英軍施設への反撃警告 ウクライナ支援巡る英

ワールド

独、駐ロ大使を一時帰国 ロシアによるサイバー攻撃疑

ワールド

ブラジル南部豪雨、80人超死亡・100人超不明 避
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中