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気候変動

温暖化を止めるのに必要なのは、人類が歴史的に「苦手」としてきた行動だ

COUNTRY VS. PLANET

2021年8月31日(火)19時48分
ヨシュカ・フィッシャー(元ドイツ外相)

だが、これも進展する様子はない。むしろ国際政治の舞台では、大国同士の対立が大きな問題になっている。国家のエゴが幅を利かせ、米中があらゆる分野で対立する今、気候変動対策に限って協力する余地が生まれるとは考えにくい。

これまで欧米諸国は、中国への対応で大きな間違いを犯してきた。経済的利益を追求するため、中国の地政学的な関心や意図をわざと見過ごしてきた。

さらに失敗を重ねて、これまでの傷を大きくしてはならない。過去の間違いだらけの対中政策に戻るべきではないし、気候変動が今世紀の国際政治の中心的課題であることを否定するべきでもない。そうなってしまったら、われわれのリーダーたちの失敗のツケを全人類が払うことになる。

古いパワーポリティクスを捨て去るときが来ている。大国は気候変動対策を成功させる道を、共に歩む必要がある。

©Project Syndicate

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