最新記事

日中関係

中国軍事評論家、日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張──いったん削除された動画が再浮上

China Officials Share Viral Video Calling for Atomic Bombing of Japan

2021年7月15日(木)18時31分
ジョン・フェン

「台湾解放を目指すわれわれの試みに、日本が武力で介入するなら、たとえ1兵卒、1機の軍用機、1隻の軍艦の派遣であっても、われわれはただそれを撃破するだけでなく、日本に対する全面戦争を開始すべきだ」

全面戦争とはどういうものか。「まず、核爆弾を落とす」と、六軍韜略は言う。日本がかつて原爆を投下されたときのように「再び無条件降伏するまで、何発でも落とし続ける」。

日本の防衛力をたたき、「台湾海峡に兵力を割けなくなるまで」徹底的にたたいて、他国の内政問題に介入したら、どんな目に遭うかを思い知らせるのだと、六軍韜略は言う。

宝鶏市委員会が再投稿した動画には数百件のコメントが寄せられた。その全てが、東アジアの安全保障環境の「大きな変化」を受けて、「核の先制不使用政策を見直すべきだ」という六軍韜略の主張に賛同する内容だった。

「政策、戦術、戦略全てに調整が必要だ」と、六軍韜略は言う。「わが国の平和的な興隆を守るためには、核政策も限定的に調整しなければならない」

核攻撃に伴う問題点には触れず

中国が特定の条件下で核の使用を辞さないとなれば、唯一の被爆国である日本は震え上がり、抑止効果が倍増するだろうと、六軍韜略は予想する。

「日本を核先制不使用の例外とすることで、われわれは日本と世界に警告できる。祖国統一を含め、わが国の内政問題に日本が軍事介入すれば、核が使用され、日本が無条件降伏するまで使用され続けることになる、と」

六軍韜略はまた、核攻撃を行うことで、中国は尖閣諸島(中国名・釣魚島)を日本から取り戻し、沖縄を日本の支配から解放できるとも述べている。

ただ、尖閣諸島と沖縄をどう奪還するかは明らかにしていない。日本に核攻撃をすれば、中国沿岸部の都市も放射能汚染のリスクにさらされるはずだが、それについても一切触れていない。

20240604issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年6月4日号(5月28日発売)は「イラン大統領墜落死の衝撃」特集。強硬派ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える グレン・カール(元CIA工作員)

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の衛星打ち上げ、国連決議の「あからさまな違反

ワールド

ラファ避難民密集地区攻撃、死者45人 イスラエルは

ワールド

ポーランド、ロシア外交官の移動を制限へ ロシアは報

ワールド

北朝鮮、衛星打ち上げに失敗 通告期間内の挑発行為に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 2

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 5

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 6

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 7

    台湾を威嚇する中国になぜかべったり、国民党は共産…

  • 8

    トランプ&米共和党、「捕まえて殺す」流儀への謎の執…

  • 9

    胸も脚も、こんなに出して大丈夫? サウジアラビアの…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中