最新記事

中国

安倍首相の祝賀ビデオメッセージが中国のCCTVで大写し──中国建国70周年記念

2019年9月27日(金)19時30分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

G20大阪サミットにおける安倍首相と習近平国家主席 Kevin Lamarque-REUTERS

安倍首相等数名の日本政財界関係者等による中国建国70周年記念を祝賀するメッセージが27日、CCTVで大きくクローズアップされ延々と流された。米中関係悪化における中国の意図と日本の位置づけを考察する。

CCTVお昼のニュースでほぼ全文公開

9月27日、お昼の中央テレビ局CCTV4(国際)で長い時間を使って、安倍首相の中国建国70周年記念を祝賀するビデオメッセージが放映され、思わずCCTVの画面に釘付けになってしまった。

本当とは思えないような、「あっ!」と声が出てしまうようなニュースだったが、それが本当であることを示すサイトはいくらでもある。

たとえば「安倍晋三の新中国成立70周年を祝うビデオメッセージ、中国語も少し交えて」をご覧いただくと、安倍首相の日本語による祝辞を、そのまま聞くことができる。

このメッセージは、多くの中国のウェブサイトに転載されて、全中国に拡散していったと言っても過言ではない。

その一例として「大河報網」や、環球網の報道などがある。

リンク先をクリックしてお聞きいただければ何を話したかに関してはお分かりいただけると思うが、念のため文字化してお示ししたい。

これは9月26日の夜、駐日本国中国大使館で開催された中華人民共和国成立70周年記念式典に安倍首相が寄せたビデオメッセージが基になっているので、その日本語の全文と比較する。

括弧で括ったのがCCTVでは報道されなかった部分だ。最初に言っている「ダージャー・ハオ!」は中国文字では「大家好!」で、「皆さん、こんにちは」という意味だ。

全文は以下のとおりである。

──ダージャーハオ!皆さんこんばんは。安倍晋三です。中華人民共和国が建国70周年を迎えられたことに対し、日本国政府および日本国民を代表し、心から祝意を表します。

(本年は中国が建国70周年を迎え、日本が平成から令和へと新たな時代を迎える節目の年です。日中両国が良い雰囲気の中で、それぞれにとって記念すべき年を迎えられることを大変喜ばしく思います。)

6月のG20大阪サミットでは、日中両国が成功に向けて協力し、G20としての力強い意志を大阪首脳宣言を通じて世界に発信することができました。サミットに先立ち行われた日中首脳会談と夕食会では、来春に習近平国家主席を国賓として日本にお迎えすることについて首脳間で一致し、日中新時代を切り拓いていくとの決意を共有することができました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習

ワールド

ロシア、英軍施設への反撃警告 ウクライナ支援巡る英

ワールド

独、駐ロ大使を一時帰国 ロシアによるサイバー攻撃疑

ワールド

ブラジル南部豪雨、80人超死亡・100人超不明 避
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中