最新記事

惑星

ミステリアスな彗星で猛吹雪!? ダイナミックな動画が話題に

2018年4月28日(土)13時26分
松岡由希子

水を含むガスや塵を噴き出すチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星 ESA/Rosetta/NAVCAM - CC BY-SA IGO 3.0

<欧州宇宙機関(ESA)が公開したある彗星の画像を、Twitterユーザーが組み合わせて迫力の動画に仕立て話題になっている>

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)をご存知だろうか。

旧ソビエト連邦の天文学者であるクリム・チュリュモフ氏とスヴェトラナ・ゲラシメンコ氏が1969年に発見した周期彗星だ。2つの彗星が衝突したまま結合したような奇妙な形状をなし、硫化水素やアンモニア、ホルムアルデヒドなどを含むガスが、強烈な臭いを放つという。

また、地球のものとは性質の異なる水の蒸気が噴き出していることも確認されているが、いまだ多くの謎に包まれているのが現状だ。

ミステリアスな彗星で猛吹雪!?

そして、このほど、このミステリアスな彗星で猛吹雪の中にたたずんでいるかのような、ダイナミックで幻想的なGIF動画がツイッターに投稿され、話題となっている。

このGIF動画は、欧州宇宙機関(ESA)の公式ウェブサイトで2018年3月21日に公開された彗星67Pの画像アーカイブをもとに、Twitterユーザーの「landru79」さんが制作したもの。

ESAの上席顧問マーク・マコーリアン博士によると、この彗星の背景にある星は「おおいぬ座」で、GIF動画では、その散開星団である「NGC2362」や「NGC2354」のほか、その星系のひとつ「27CMa」も認められるという。

高エネルギー分子がカメラにぶつかって・・

また、このGIF動画に映る"雪"の正体は、高エネルギー分子がカメラにぶつかって表れる明るい線と塵、埃が混じり合ったものだとみられている。

これらの画像は、ESAによって2004年に打ち上げられ、2014年に彗星67Pの周回軌道に投入された彗星探査機「ロゼッタ」の画像システム「OSIRIS」が、2016年6月、彗星67Pから約10キロメートルの地点で撮影したものだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア裁判所、JPモルガンとコメルツ銀の資産差し押

ワールド

プーチン大統領、通算5期目始動 西側との核協議に前

ビジネス

UBS、クレディS買収以来初の四半期黒字 自社株買

ビジネス

中国外貨準備、4月は予想以上に減少 金保有は増加
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 7

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中