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監視社会

要注意、中国が外国人スパイの通報サイトを開設

2018年4月17日(火)16時25分
デービッド・ブレナン

金盾工程の土台となっているのは、「防火長城(グレート・ファイヤーウォール)」として知られるインターネット検閲システムだ。米人権擁護団体フリーダム・ハウスによれば、このシステムの存在のために、中国はインターネット上の自由度が最も低い国家となっている。

監視システムも進んでいる。2018年3月には、顔認証技術を用いた監視カメラが、6万人が入ったコンサート会場の中から一人の指名手配犯を発見し、警察が逮捕した。2017年現在、中国には1億7600万台の監視カメラが設置されており、2020年までに6億2600万台に増やされる予定だ。北京は現在、どこもかしこも監視カメラだらけと報道されている。

中国はまた、2020年までに「社会信用システム」の導入を目指している。これは、市民を絶えず監視し、日常の行動に応じて評価するシステムだ。具体的な仕組みは明かされていないが、評価が低いと、旅行の乗車券や航空券が買えなかったり、希望する仕事につけなかったり、子どもをよい学校に行かせられなかったりする。

どんな国でもある程度は市民を監視しているが、テクノロジーで市民を支配しようとする中国の熱意は真に先駆的だ。中国が監視ネットワークを改善・拡大し続けるのを、羨望のまなざしで見ている国もあるだろう。中国で開発されるこうしたシステムは、いずれは他国へも広がるのは間違いない。

(翻訳:ガリレオ)

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