最新記事

日中ビジネス

CCCグループが中信出版社と合弁会社を設立、中国での出版事業に参入へ

2017年9月28日(木)18時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

合弁会社の契約書にサインした中西一雄CE代表取締役社長(左)と中信出版集団の王斌薫事長

<日本のCCCグループと中国の出版・書店グループが提携し、書籍・雑誌だけでなく映像、アニメ、ゲームなど多様な文化コンテンツの相互進出を橋渡しする>

DVDレンタルや書籍販売の店舗を全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループで映像・出版・音楽の企画製作などエンタテインメント事業を展開するカルチュア・エンタテインメント(CE)は27日、中国の国営出版社「中信出版集団」と合弁会社を設立する契約を交わした。

今年11月に設立される新会社「中信出版日本」は資本金1億円で、中信出版側が60%、CE側が40%出資する。CE傘下の出版社が持つ書籍や、その他の日本国内出版社の海外出版権利を取得し中国語に翻訳して、中国の書店へ流通する他、双方が持つ映像、アニメ、ゲームなど様々なコンテンツがお互いの市場に進出する橋渡しをする。

中信出版は、年間出版売上が10億元(約170億円)以上。ビジネスや児童文学など幅広い分野で書籍・雑誌を発行し、海外翻訳書などで多くのベストセラーもある、中国ではトップクラスの出版社。また中国全土の主要都市をはじめ、空港店舗など72カ所で書店を展開している。

調印式で挨拶した中信集団の蒲堅(プ・ケン)執行薫事(理事)副総経理は、「CCCグループは日本で最大の書店網を所有し、出版事業の経験も豊富に持っている。両社がお互いの強みを活かして協力し、日中最大の文化プラットフォームの構築を目指したい」と話した。

ccc170928-masuda.jpg

新会社への期待を語る増田宗昭CCC代表取締役社長兼CEO

これを受けてCCCの増田宗昭・代表取締役社長兼CEOは、「文化の持つ力とは『好き』とか『面白い』という感覚で共鳴すること。日本と中国の文化の交流を進めることで、双方の人々が良い関係を築くカギになれると信じている」と、新会社の事業への期待を語った。

CEの白方啓文社長補佐は、新会社ではまず、中国の書店で販売する日本の書籍の選定などから事業を開始する予定だと語っている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨

ワールド

イスラエル軍、ガザ攻撃「力強く継続」 北部で準備=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中