米予算教書の補助金大幅削減 痛みはトランプ支持層にも
異なる見方
オハイオ州選出の共和党下院議員、トム・コール氏は、一部の案件に関して議会はトランプ政権の予算教書とは違う意見だろう、と予想。コール氏は下院歳出委員会で医療や社会保障関連の支出を扱う小委員会の委員長を務めており、コール氏の選挙区にとって重要な医療調査施設は連邦補助金に依存している。
コール氏は記者団に対し「国立衛生研究所(NIH)や疾病対策センター(CDC)(の予算)がカットされる可能性は低い。(それを削減するというのは)浅はかなことだ」との見方を示した。
ロジャース議員が最も不安視しているのは、失業した炭鉱労働者の教育訓練や、ケンタッキー州にブロードバンド・テクノロジー・センターを設置することなどを後押しするアパラチア地域委員会関連の1億4600万ドルの予算をトランプ政権が削ろうとしていることだ。
低所得者が日用品を購入するのを補助するフードスタンプ(食料配給券)プログラムも今後10年で2000億ドルの削減が提案されている。しかし、米農務省の統計によると、トランプ氏が大統領選で勝利したテキサスやインディアナ、アラバマ、ジョージアといった共和党支持の州では、多くのフードスタンプ受給者が登録されている。
連邦政府の統計によると、選挙で圧倒的なトランプ支持の結果となった郡で、フードスタンプを受給している白人有権者が多い。ロイターの分析によると、トランプ氏の提案した予算に基づけば、州への連邦補助金は来年度3%減少し、昨年の大統領選でクリントン氏を支持した州では4.8%と削減率はさらに大きくなる。トランプ氏を支持した州でも1.2%の削減となると試算される。
ただ、共和党議員の中には予算教書に賛意を示す向きもある。テキサス州中部を地盤とするジョン・カーター下院議員は「フードスタンプの対象となる人数を増やし過ぎた」と歓迎してみせた。