最新記事
名言

文章術をつづったベストセラー作家が「言葉とは何か」を問い直す...自分を生かす「5つの言葉」とは

Why Words Matter

2025年7月11日(金)17時40分
近藤康太郎(作家・評論家・新聞記者)

その後、野呂邦暢『丘の火』や大岡昇平『野火』、大西巨人『神聖喜劇』、それにトルストイ『戦争と平和』を読むようになり、やくざな親父の捨て台詞にも、一理はあるなと思うようになりました。アジア・太平洋戦争で餓死した日本の兵隊さんを思え。糧秣(りょうまつ)を奪い合って、友軍同士で殺し合うこともあったんだぞ。

失恋、減給、左遷、リストラ......。それがどうした風が吹く。白いおまんまに塩かけて食えりゃあ、なんの不足もありゃしない。

肝に銘じています。


【2】生まれたからには生きてやる

わたしは音楽評論もするので、ロックにソウルにヒップホップにワールドミュージックと、あらゆるジャンルの音楽を聴きます。日本語と英語は歌詞が分かるので、人生のいろんな局面で助けられました。挙げたのは、ブルーハーツ「ロクデナシ」から。

頼んでもいないのにこの世に生み落とされた。この時代、この国、この親から生まれたかったわけではない。親ガチャ、国ガチャ。時代ガチャ。不公平だ。だから生まれるとき、誰もが大声あげて泣き叫ぶ。「阿呆ばかりの大きな舞台に突き出されたのが悲しゅうてな」(シェイクスピア『リア王』)。

しかし、いったん生まれたからには、生きてやれ。邪険にされても、無視されても、そう簡単に消されてたまるか。死ぬまでは、生き生きと、生きるんだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領のFRB介入、世界経済にリスク EC

ワールド

債券市場の機能度DI、8月はマイナス34 5月の急

ワールド

プーチン氏、NATO東方拡大問題に言及 習・モディ

ワールド

中国主席、新たな世界秩序ビジョン表明 上海協力機構
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマンスも変える「頸部トレーニング」の真実とは?
  • 3
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 6
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 9
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中