「ボーダーは太って見える」は嘘だった...最新研究で「着瘦せ効果」が判明、むしろ「ストライプ」こそ危険?
The Myth About Stripes
縞模様が物体の大きさの見え方に影響するのは事実だが、実際の作用は通説とは逆。太って見えるのは縦縞の服で、横縞はむしろ着痩せ効果を発揮するのだ。
こうした効果は、2つの錯覚で説明がつく。
まずは「ヘルムホルツの正方形」。2つの正方形の中に、それぞれ同じ数の線で縞模様を描く。片方の正方形では水平な線(横縞)が積み重なり、もう一方では垂直な線(縦縞)が縦に並ぶ。すると、正方形の大きさは同じなのに、横縞の正方形のほうが縦縞の正方形よりも細く長く見えるのだ。
錯覚には個人差もある
これには「オッペル・クント錯視」が関係している。面積が同じでも、物が密に詰まった空間は空っぽの空間より広く見えるという現象だ。例えば、家具がたくさんある部屋と、全くない部屋を想像してほしい。広く感じられるのは前者だろう。
水平な線(横縞)が積み重なった正方形は、縦方向に大きく見える。つまり、縦長に見える。「縞がこんなに積み重なっているのだから、この空間は縦に広いはず」と、脳が勘違いするのだ。
逆に垂直の線(縦縞)が並んだ正方形は、高さよりも横幅が強調される。
この錯覚が衣服にも当てはまるのかどうか、一部の研究者は検証しようとしてきた。