コラム

中国の新銀行に魅了された世界を待つ「未来」

2015年04月07日(火)12時26分

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 中国政府が設立を提案したアジア投資インフラ銀行(AIIB)は、全世界で大きな反響を巻き起こした。今のところ51カ国が参加を表明しているが(台湾、香港を入れると53の国と地域)、その中にはイギリスやフランス、ドイツ、イタリア、さらに韓国といったアメリカの同盟国も含まれる。

 アメリカの猛烈な反対にもかかわらず、AIIBに加盟申請したのはこれらの国だけでない。台湾も自分の価値を安売りすることをいとわず、AIIBに加盟する意思を表明した。今やアメリカと共に踏みとどまっているのは日本だけだ。

 経済的メリットだけに気を取られ、その設立提案国である中国とその他の世界の間に存在する大きな価値観の違い、そして中国の抱える様々な矛盾を無視してこの強権国家の側に立つことは、共産党政権の正統性を強化し、その寿命を長らえ、民主化の実現を遠ざけるだけだ。

 加盟表明した国に対して私は非常に失望を覚える。共産党政権と取引することがいかに危険な結果をもたらすか、いずれ歴史が証明するだろう。

プロフィール

辣椒(ラージャオ、王立銘)

風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、埼玉大学の研究員として日本に滞在している。

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