このコラムでは、以前に、日本では発売前のスマートスピーカーを採り上げたことがあった。スマートスピーカーとは、アマゾンのAlexa、グーグルのGoogle Assistant、アップルのSIriといったAIアシスタントをサポートした、インテリジェントなスピーカー製品のことを指す。

他のことをしながらでも利用できる

これまで電子機器は、ユーザーとのコミュニケーションにおいて画面を重視し、パーソナルコンピュータはもちろん、スマートフォンやタブレットでも、新型が出るたびにスクリーンの解像度が高くなり、発色も良くするといった競争を繰り広げてきた。

ところが、ここにきて、ディスプレイを持たず声だけで情報のやり取りを行うデバイスが注目されているのは何故だろうか?

それは、声によるコミュニケーションが人間にとって非常に自然なものであり、料理や読書、テレビ視聴、ドライブなど、他のことをしながらでも利用できる情報処理のやり方だからである。

たとえば、タッチ式のスマートデバイスは高齢者の間でも普及しつつあるが、タップができてもスワイプやドラッグ操作は苦手という人も少なくない。簡単に思えても、普段の生活の中で馴染みのない操作を覚えるのは、それなりに大変なのである。

これに対して、声で指示を出したり、ものを尋ねたりすることは、誰でも日常的に行っている。つまり、スマートフォンやタブレットの天気予報アプリやニュースアプリをうまく使うことができない人でも、スマートスピーカーにならば、普通に「今日の天気は?」とか「ニュースを聞かせて」と訊くだけで、目的を果たせるのである。

「アレクサ」が呼びかけやすい

もちろん、質問の前にスマートスピーカーに呼びかける必要があるが、これは家族の誰かに声をかけて天候や今日のトップニュースなどを訊くのと同じようなものだ。最初は気恥ずかしいかもしれないが、慣れればペット相手に何かをつぶやくのと、さほど変わらない感覚になる。

言いやすさは重要