コラム

Googleに挑む男から見たAIの今と未来 PerplexityのAravind Srinivas氏

2024年04月09日(火)11時40分

このほか少し専門的になりますが、次のような発言もありました。

【RAGの使い方が重要】

Perplexityでは、既にYelpやShopifyなどからデータを提供してもらうライセンス契約を結んでおり、今後もデータ提供者との連携を進めていくという。(40:00)

C向けはデータを厳選し、ライセンス契約を結んでいる。

B向けは、データの重要度を決めるのが大変。社長の訓示を優先するのかどうか。どのレベルの社員にどの程度の情報を開示するのかという問題もある。


【Perplexityが利用しているモデル(55:13)】

独自モデルの訓練をしている。使っているのはMistralのモデルをファインチューニングしたもの。X.aiのモデルでも実験している。Mistral 7BやGemmaなどの小規模のモデルをほかの部分に使っている。GPT-4やClaude 3などの大規模モデルは受けた質問の理解に使っている。それで写真を生成すべきか動画や文章を生成すべきかを決めて、分類器にかけて、質問を作り直して、より詳しい情報にする。そうした部分はオープンソースを改良したものを使っていてる。

【計算資源かブレークスルーか(1:03:10)】

AIの進化に必要なのは「計算資源」だ。でもトランスフォーマーのようなGPUを有効活用できるようなブレークスルーも求められている。どんなブレークスルーかというと、モデルが自分で考えられるというようなブレークスルー。自分で実験をデザインし、実験し、結論を導き出すまで何度も新しい実験を繰り返す。そんなモデル。今は学習と推論が別々だけど、学習と推論が合体したようなモデルが次世代のモデルだと思う」

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プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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