コラム

中国に「平伏する」ハリウッドで、『トップガン』が反撃の狼煙を上げる

2022年06月18日(土)16時53分

中国が「悪者」の映画はハリウッドでは作られない

CNNなどによれば、2012年に公開された戦争映画『レッド・ドーン』は、もともとも中国がアメリカに侵攻するという話だったが、中国側がかなりの不快感を示したことで、制作側が国旗など大変な編集を行い、中国を北朝鮮に変更した。

そんなことから、『Red Carpet: Hollywood, China, and the Global Battle for Cultural Supremacy(レッドカーペット:ハリウッド、中国、文化的優位をめぐる世界的な戦い)』という著作がある記者のエリック・シュワルズリは「中国が『悪者』というイメージの映画はハリウッドでは作られていない」と指摘している。

世界第2の経済大国として巨大な市場をもつ中国に、完全にハリウッドはひれ伏してきた。だが、米海軍の有能なパイロットたち<トップガン>が競い合う「トップガン」最新作は、中国では上映されない。それでも、商業的にも文化的にも世界的な成功を収めているトップガン最新作が、この中国による「検閲」の流れを変えるきっかけになるかもしれない。

スパイチャンネル~山田敏弘」では、『トップガン マーヴェリック』から見るハリウッドと中国の関係などについて、さらに深堀りしている。

プロフィール

山田敏弘

国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。クーリエ・ジャポンITメディア・ビジネスオンライン、ニューズウィーク日本版、Forbes JAPANなどのサイトでコラム連載中。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』、『CIAスパイ養成官』、『サイバー戦争の今』、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』、『死体格差 異状死17万人の衝撃』。最新刊は『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』。
twitter.com/yamadajour
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