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ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

増していく2023年における在日ミャンマー人の存在感

ヤンゴン、インヤー湖から観る朝日:筆者撮影

おはようございます。
ノーベル平和賞、受賞したのはイランで長年、女性の権利擁護や死刑制度の廃止などを訴え、現在は刑務所で服役している人権活動家のナルゲス・モハンマディ氏でしたね。
現職の国連大使であるチョー・モー・トゥンやミャンマー民主化と連邦制を目指す、国民統一諮問評議会NUCCもノミネートはされていたのですが、残念ながら受賞はならずというところでした。
ニュースなどの話題は色々とありますが、基本ミャンマーがベースな新町です。

今回は日本におけるミャンマー人の存在感についてお伝えしていこうと思います。
現状と今後の予想です。
これに関してはミャンマーにいる私も影響を受ける話ですが、それ以上に日本にいる皆さんに影響のある話だと思います。

本題に入る前にお知らせです。
来る10月29日(日)
午前11時~午後3時まで。
ながの表参道セントラルスクゥエア(JR長野駅から徒歩13分)にて
『ミャンマー交流フェスタin信州』が行われます。

交流フェスタには、在日ミャンマーコミュニティ(47団体)からミャンマーの方々も多数参加、音楽やダンスをステージで披露してくれます。
会場には、ミャンマー料理、衣装・雑貨販売などミャンマー文化に触れていただけるブースも並びます。
日本からは、善光寺木遣り保存会、七福太鼓(和太鼓)、ダンススタジオブロードウェイの皆さんがステージでプログラムを披露してくれます。
信州から、日本とミャンマーのつながりをより深める一日になります。
みなさま是非お越しください。

1.jpg

私はオンラインで参加できるかどうかわかりませんが。
ミャンマーで作った短編映画『THE GOLDEN ROCKERS』をブースで展示させてもらいます。
DVDも販売予定なので是非覗いてみてください。

それでは本題です。
ミャンマーに住んで早9年。
私のような人間にとってはとても大きい事なのですが、日本にいる一般の皆さんにとっては、まだ指して意識する事でもないのかもしれません。
実は昨年一年で在日ミャンマー人が一気に増えています。
その数約24000人。
それまで在日ミャンマー人の数は4万人台だったのです。
そこからまさかの1.5倍超。
この辺りの数字は時期などによってもハッキリしないところはありますが、大事な事はたった一年で劇的に増えたという事です。

理由は言わずもがな、コロナとクーデターによりミャンマー国外への移住を考える人が非常に多いという事です。
コロナから2年間、基本的には一般人が国外へ出られなかったのでその分の人が溜まっていたというのは勿論あるのですが、現在現地にいて感じるのは今年も去年と同等かもしかするとそれ以上のミャンマー人が日本へ移住するのではないかということです。

今年7月2日に行われた日本語能力試験の応募者数がなんと10万人を超えたのです。
(国際交流基金ヤンゴン日本文化センター発表)
過去に1カ国で10万人超の応募者がいたのは14億人の人口をようする中国だけでした。
ミャンマーは中国の25分の1の人口でありながら、史上2番目に10万人を超えた国となりました。

私がミャンマーへ移り住んだ2014年から日本語の人気は非常に高いものでした。
個人的な意見としてはミャンマーの人にとって日本語より英語の方が凡庸性の高い第二言語だとは考えていたのですが、間違いなく一番人気は日本語でした。
そんな状況ではありましたが、当時は日本語を勉強する人が必ずしも日本での生活を希望しているのかというと決してそうではありませんでした。
中には日本語能力試験2級や1級という日本で生活するにしても不自由はない位の日本語能力を持っている人材でさえ、日本語を使う仕事はしたいけど、日本で住む程ではないという人も多数いました。

しかし、2021年2月のクーデターにより状況は一変します。
そもそもの仕事が無いという状況から自分たちの日本語のスキルを最大限活かすには日本へ行って仕事をするというのが数少ない選択肢となっていきました。
私の直接の知り合いの中でも何人もの人が日本へ行きました。
そして、私を通して日本を知っていた知り合いが今頑張って一から日本語を勉強し、先に日本へ渡った知り合い達に追いつけとばかりに準備をしています。

いわゆる高度人材や留学で日本へ行く友人もいますが、やはり多くは技能実習や特定技能です。
こういった制度には私も思うところは色々とありますが、現状ミャンマーで大変な状況にある彼らを思えば日本に行けるチャンスがあるならどんどん行った方が良いと考えるようになりました。
今は公私ともにこのように日本行きを希望する人たちのサポートをしています。

さてさて、ここまでミャンマー贔屓の私としては盛り上がっている在日ミャンマー人の増加なのですが、今一つ話題になっていないと感じているところです。
何故だろうかと少し調べてみたのですが、原因の一つがわかりました。
なんとも統計の妙といえるようなものがありました。

令和4年末現在における在留外国人数(出入国在留管理庁発表)

1位 中国      761,563人
2位 ベトナム 489,312人
3位 韓国     411,312人
4位 フィリピン 298,740人
5位 ブラジル 209,430人
6位 ネパール 139,393人
7位 インドネシア 98,865人
8位 アメリカ    60,804人
9位 台湾      57,294人
10位 タイ     56,701人

というようにトップ10だけが出ているのですが、なんとミャンマーは56,239人と超僅差で11位なのです。
恐らくですが、伸び率を考えると今日現在において、トップ10はおろか、アメリカを抜いて8位になっていてもおかしくはないと私は考えています。

このギリギリトップ10に入っていなかったというのが今一つ話題にならなかった理由なのではないかと考えています。
このような色々な偶然が良くない方向で重なってしまっている現状ではありますが、確実に在日ミャンマー人の数は増え続けています。
それは当分の間続く事でしょう。
しかも、今日本へ移り住もうとしている多くは若者です。
働き手である事は勿論、様々な活動を通して日本の文化へも大きく影響を与えて行く存在になると私は睨んでいます。

さて、いかがでしょうか?
あなたの周りでもミャンマーの人が増えているのではないでしょうか?
今後数年で日本でのトレンドにミャンマーが入っていく事を私は確信しています。
あなたは今からどんな事を準備しますか?
私は現地から色々と面白い事を考えていきたいと思います。
ご注目ください。

それでは、また。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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