World Voice

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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

世界一厳しい香港の入境隔離を経験して......最新の隔離はこんな感じ

(香港空港の到着ロビーは閑散としていた/筆者撮影)

今年は香港から数年ぶりに日本に一時帰国する邦人家庭が多かった。

私も日本に一時帰国し、そのあとイギリスに向かい2か月弱滞在した。

イギリスから香港に戻るにあたって難関が待ち構えていた。香港政府から入境の際、義務付けられているのは48時間前のPCR検査とホテルの隔離である。8月12日から香港は7日間のホテルでの隔離が短縮され3日(3泊4日のこと)プラス4日間の医学観察期間の3プラス4となった。

今回のWorld Voiceは香港入境時の隔離の様子を書いてみようと思う。

イギリスのPCR検査予約で香港/中国&日本その他の国という項目があった

まずはイギリスを発つ前にパディントン駅構内のクリニックのPCR検査をオンラインで予約した。

入力を進めていくと渡航先の国の欄を選ぶ項目があった。そこには

香港/中国&日本
その他の国

と2択になっていて、その下の注意書きに香港/中国、日本は他の国々とPCRのやり方が違いますと書いてある(9月7日時点の情報)事前のPCR及び隔離を撤廃する国が多い中、ああ、厳しい香港に帰るんだと実感した。

ヒースローからバンコク経由で香港へ

結果は陰性、そして香港へ。

ブリティッシュエアー、ヴァージン航空は香港への乗り入れを停止中、キャセイも予約が取れず、バンコク経由便で帰ることとなった。帰国の日の朝はロンドンの上空に大きな虹がかかっていた。離陸してしばらくしてエリザベス女王陛下崩御の一報が世界に配信されたようだ。

hk02.jpg

(筆者撮影)

ヒースロー空港は旅行客で相変わらず混雑していた。バンコク行きの機内はタイで旅行を楽しもうというイギリス人で超満席。タイは入国の際PCRも隔離も無い。エキゾチックタイで何をしようかと話しているのだろうか? 機内は笑顔に満ちている。子供たちもキャッキャとはしゃいでいる。明るい。とにかくも機内の雰囲気が陽気だ。

飛行機はバンコクに到着し、香港行きのゲートへと向かった。

ゲートに人がいない......香港行きの機内はガラガラ。各列に1人座っているかいないかの状態である。おまけに乗客の表情が暗い。まるでお通夜のようだ。これから始まる隔離生活の事を考えれば気持ちも沈むというものだ。

香港に到着し隔離ホテルの予約表と48時間前のPCR検査の陰性証明を見せ再びPCR検査を受け案内人の誘導に沿って進む。ここまでは本当にスムース。20分くらいで済んだ。

荷物をピックアップして到着ロビーに出た。香港空港の到着ロビーはヒースローと打って変わって人がいなかった(冒頭写真)。続いて隔離ホテル別の列に並びバスで移動する。バスの中もシーン。誰も話さない。

やがて予約した隔離ホテルの駐車場に到着した。当然ロビーには入れず、貨物が出入りするような薄暗い所でチェックインする。

『すみません、部屋に入る前にコンビニで炭酸水を買ってきていいですか?』と試しに聞いてみたら、

『もう駄目です。あなたは隔離の身なんです、もうここからはチェックアウトまで一歩も出れません』

ホテルでの隔離生活

渡されたホテルのルームキー(カード)で部屋に入った。カードは部屋に入室時1回限り有効との事。「部屋から出て廊下を数歩でも歩いたらルール違反とみなしホテル側は警察に通報し、貴方は逮捕されます」とドアに張り紙がしてある。罰金1万ドル(約18万円)または懲役6か月が言い渡されるとの事。

夕飯時になりドカーンとドアを足で蹴るような音がした。ドアを開けたら

袋入りの夕飯が置いてあった。やや斜め前にエレベーターがあり閉まる寸前のドアの隙間からは配膳人の姿がちらっと見えた。袋を置くやいなや走り去ったにちがいない。なんて逃げ足の速い。あたかも「誰が隔離人と顔を合わせるもんか」と言われているようで自分がバイ菌のように感じてしまった。

hk03.jpg(筆者撮影)

夕ご飯は草履のように大きなサーモン。生臭い。牛乳にメリケン粉をただ混ぜただけのような味のしないホワイトクリームも劣悪。まずい。これが4つ星ホテルの味なのか。ここまでまずく作れるのもある意味一つの才能だと思った。

翌朝もドカーンとドアをけるような音がしてすぐさまドアを開けたらはるか向こうのほうに走り去る配膳人の姿が見えた。逃げる速さはボルト選手並みだ。

隔離3プラス医学観察4、3プラス4の詳細

3プラス4の詳細は以下の通り。
↓ ↓ ↓

到着日0日目とカウント:空港でPCRテスト

1日目:空港でのPCR陰性の結果がスマホに送られてくる。渡された抗原検査をして結果を医学観察アプリに送る

2日目:抗原検査をして結果を送る。午前10時にPCR検査をしに防護服を着た医療従事者が2人やってくる

3日目:PCR陰性の結果が届く。抗原検査の結果を送る、

午後12時にチェックアウト、この時初めてロビーに降りることが許される。その後交通機関の使用は可、スーパーなどの買い物も可、ただしレストランでの店内飲食は不可。

4日目:抗原検査の結果を送る。PCR検査を受けに行く

5日目:抗原検査の結果を送る。PCR陰性通知が届く

6日目:抗原検査の結果を送信。PCR検査を受けに行く

7日目:抗原検査の結果を送る。PCR陰性の通知が送られてくる

毎日の抗原検査の結果の医学観察アプリへの送信を怠るとこれまた罰金日本円で18万円である。

そして7日目に「隔離期間が終了しました、おめでとうございます」とメッセージが来る。ワクチンパスのコードの色も黄色から青に変わっている!! やったこれで終わったと思ったらそれはぬか喜びであった。

■3プラス4じゃないじゃないか、3プラス4プラス3だ~

8日目:抗原検査の結果を送る

9日目:最後のPCR検査を受けに行く

10日目:抗原検査の結果を送る。PCR陰性の知らせが来る

ここで初めて終了となる。

つまり隔離期間は3プラス4の7日間、この間はレストランや映画館などの出入りはできない。

「8日目からは自由の身となり香港のどこでも出入りが出来ますよ、ただし8日目、9日目、10日目も毎日の抗原検査の結果を医学観察アプリに送り9日目にPCR検査を受けて陰性の結果が出て、10日目に最期の抗原検査を送ってここで終了」という事である。

hk04.jpg(PCR検査場の様子。帰国9日目の最後のPCR、頑張れこれが最後のPCR検査だ〔筆者撮影〕)

観光客は入ってくるのだろうか

この10日間のプロセスは長かった。

果たしてこのプロセスを通過してでも香港に旅行したい人はいるのだろうか? 事前のPCRも隔離もPCR通いも無い国に人は流れるに決まっている。毎日抗原検査の結果送りと数日おきのPCR検査の繰り返しの10日間、PCRの予約を忘れ、行きそびれたら罰金1万香港ドル(18万円)か懲役6か月云々と脅すような文章を見せられて気が休まるだろうか?

1人で移動する人はさほど苦ではないかもしれない。しかしながらお子さん連れの家庭はかなり辛いと思う。特に乳幼児連れの方の隔離3泊、その後のお子さんと一緒に3回のPCR検査通いは疲れるに違いない。

テレビでエリザベス女王死去の様子もろもろが流れている。チャールズ新国王が気さくに沿道で人々と握手したり抱擁する様子が放映されている。王室の方々も観衆も誰もマスクをしていない。イギリスは入国に際しての事前のPCRも無し、マスクも無し、隔離は当然無し、入国したその日から完全にコロナ前の日常を送れる。

香港がゼロコロナ政策を意地でも堅持すると隔離を2~3週間を課していた頃、香港は今後2024年まで完全に世界から取り残されるであろうといった趣旨の報道が流れていた。

しかしながら隔離ホテルステイ3週間から2週間、そして1週間そして現在3日(実際は3プラス4プラス3だけれど)状況はだいぶ変わって来ている。

そして9月18日香港政府は隔離ホテルのシステムを撤廃し0プラス7にする意向で動いているとの報道があった。

つまり7日間の毎日の抗原検査と4回のPCRテストを受けて8日目に晴れて自由の身になる。その後3日間はまた同じ抗原検査とPCRを一回受ける、つまり0プラス7プラス3になるんじゃないのかな?

香港在住者が香港に戻ってきた場合は7日間おとなしくしていればいいけれど、観光客がグルメ都市香港に入って来て、隔離ホテルは撤廃したものの7日間レストランで食事はできませんって機能するのかな?

hk05.jpg

(筆者撮影)

いずれはすべて撤廃の日が来るであろう。その時はこの夏イギリスで経験したWITHコロナを飛び越えた「コロナ前」の自由を謳歌する日なんだとその日を待ちわびている。観光客もその時にこそ本格的に戻ってくるのではないだろうか?

最後に、一番厳しかった時期の隔離ホテルステイ3週間を経験した方々もいるわけで、今回の3プラス4プラス3でも音を上げてしまった私は本当に頭の下がる思いである。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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