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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

あれから35年、今年もこの日がやってきた

6月4日の香港の海岸(筆者撮影)

日本で起きた靖国での放尿落書き事件には本当に驚かされた。X(旧ツイッター)では怒りの声が炸裂。時間の経過とともに犯人の顔、名前などがどんどん書き込まれていく。それに反して、数社を除いて日本のマスコミが報道に躊躇している様子にはあきれてしまった。結局、放尿犯は見事にするりと日本を出国していった。

香港ではこの報道はされているのだろうかと6月2日と3日、香港の英語版メディアのサウスチャイナモーニングポスト、RTHK、The Standard、をネットで検索してもひっかからなかった。

ああ、これ4日のあの日にぶつけてくるんだろうな~と思ったらやっぱりそうだった。4日の明け方あたりから上記3社が報道しだした。

4日の朝、牛乳が切れていたので近くのセブンイレブン(香港にもセブンイレブンは至る所にありますよ)に買いに行った。新聞の売り場のコーナーに目をやったら、東方日報のある見出しが目に入った。

香港の唯一の民主寄りのメディアだったアップルデイリー社の創業者ジミー・ライ氏(現在逮捕されて収監されている。アップルデイリーは廃刊になった)の体調が良くないようだ。今月4日の見出しというせいもあってか、ギクッと感じた。

香港では2019年まで、あの広場で起きた事件を追悼する集会がコーズウエイベイのビクトリア公園にて大々的に行われていた。コーズウエイベイは新宿と渋谷を足して2で割ったような繁華街である。人々はそのコーズウエイベイにあるビクトリアパークで2019年までキャンドルを灯し高々と上げていた。

2020年の国安法施行により反政府的な言動や行動の取り締まりが強化されたため、集会は禁止されるようになった。

今年もビクトリアパーク周辺は厳戒態勢が敷かれた。この日、香港で絶対にやってはいけない事は火を灯したキャンドルを街中で掲げること、そしてスマホの懐中電灯をオンにして上に掲げることだ。

■うわ! 西側諸国の外交官は大胆なことするなあ

厳戒態勢のビクトリアパークに5人の外交官が前触れもなく姿を現し周囲を驚かさせた。在香港EU副代表に加え欧米の外交官4人である。そして4日、在香港のアメリカ領事館、イギリス領事館、カナダ領事館、オーストラリア領事館は自らのSNS サイトにスマホの懐中電灯の画像、灯されたキャンドルの画像を掲載した。

https://www.andyfisher.ca/blog/stdc46ad96469cdvcetjon52.html

https://www.scmp.com/news/hong-kong/politics/article/3265360/2-hongkongers-taken-away-police-step-presence-35th-anniversary-tiananmen-square-crackdown

これを受けて香港のジョン・リー行政長官は「自ら問題を引き起こしている」と厳しく非難した。

■4日の私の近所の様子

(冒頭写真参照)

さて私の近所の様子はどうだろうと4日の夜、夕涼みもかねて見に行った。例年海沿いの道には警官が多数集まって道行く人を見ていたものだ。今年は驚いたことに警官が1人もいなかった。今年3月に国家安全条例が施行され国家への反逆罪などがさらに強化されたからだろうか。体感温度としてこれはかなり効いていると感じる。

昨今香港の国際金融ハブとしての地位は終了したと西側のメディアは言うが、香港の一国二制度は言論統制以外は機能している。香港は大陸の中国がいなければ生きていけない。チャイナを見つつ抑えるべきところは抑え生活していこうとマインドセットを切り替えて今香港にいる人たちは生きている、と私には感じる。

5日は「イエス高須クリニック♪♪」の高須先生が靖国の落書き犯を日本大使館に送り届けてくださった方に1000万円の報酬を出すとのニュースが香港でも流れている。4日に何が起きたかより落書き兄ちゃんの方に関心が移ってくれたほうがありがたいんだろうなあ。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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