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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

幽霊が怖いなんて言ってられない、いわく付き物件に住みたがる香港人

(筆者撮影)

香港の凶宅

香港ではいわくつき物件を「凶宅」と呼ぶ。殺人が起こった物件、自殺があった物件の事だ。

やはり日本と同じでいわくつき物件、凶宅は香港人の間で忌み嫌われてきた。

不動産屋のウェブサイトを見ると、凶宅の一覧表が載っている。

凶宅は英語ではHaunted Houseと言う。

英語版のサイトでもいわくつき物件のリストは容易に見れる。

が、いわくつきの理由とマンション名は表記されていても部屋番号までは表記されていない。

しかし情報を取るのが上手い香港人、あの階の何号室だと知っているようだ。

香港では殺人事件などが起こるとマスコミはマンション名、階、部屋番号までしっかりと書くというのが起因しているのかもしれない。

香港の凶宅物件情報はこんな感じで見ることができる

https://852.house/zh/haunted-houses

https://www.property.hk/unlucky.php

香港でも有名、大島てる

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(画像出典:pixabay フリー画像)

日本でいわくつき物件の情報を網羅している1番有名なサイトといったら、

おそらく「大島てる」だと思う。

香港でも中国でも大島てるは有名である。

それは裕福層が日本の不動産を買いあさっているからだ。

香港、一部中国の不動産の狂乱価格に比べれば

日本の不動産は手ごろに映るようだ。

購入にあたって日本国内の凶宅を事前に調べるのだろう。

でもそれは一部の裕福層の話であって、

住宅価格が世界一高く、住宅事情の悪い香港に住む庶民は

年々悲鳴を上げている。

もうこの際、凶宅でも構わない

あれほどまでに忌み嫌っていた凶宅でも構わないという人たちが年々増えてきている。

凶宅物件ならば相場より安く借りられるからだ。

実際に私の身近なところでも2組いる。

いずれも娘の通っていたインターナショナルスクールの友人のご家族で、

2組の家族ともあえて凶宅物件に目をつけて住んでいる、

両家族ともクリスチャンである。

「幽霊が怖くないのか?」と聞いたことがある。

「クリスチャンは死んだ人間は天国に行くと考えているので、幽霊は信じてないから怖くない」

と答えていた。

9月17日公営住宅1400件の申し込みが始まった。

順番待ちを短くしたい人のために、なんと8件の凶宅が含まれていた。

公営住宅に応募をしても順番が回ってくるのは早くても2~3年、

長い人は20年以上も待っているからだ

ちなみにある物件の1つは、2018年に57歳の男性が妻を背後から刺し殺害した場所で

オリジナル価格は2104香港ドル(約3万円)のところ

最初の8カ月間は50パーセント引きの1万5千円で借りれるという特権付き。

またある物件は2020年に母親が障害を持った21歳の息子を

薬で眠らせテープで口を覆い窒息死させ、

その一部始終を13歳の次男がずっと見ていたという。

8件の凶宅公営住宅は広さにもよるが価格は

1236~3606香港ドル(約1万7千円~5万2千円)である。

香港では凶宅物件に住んで何も起こらなかった場合、

その物件は凶宅のレッテルが取れるというのは日本と同じである。

貴方は凶宅物件住みますか? やっぱり幽霊が怖いですか?

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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