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ラッシャー貴子|イギリス

戦禍のウクライナが優勝、ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2022

今年優勝したウクライナは、実はユーロビジョンではなかなかの強豪で、小国ながら2004年と2016年に優勝している。優勝が決まった直後にゼレンスキー大統領はSNSにお祝いコメントを発表しているし、英国での報道を見ているとウクライナの人たちも優勝を大喜びしているようだ。写真 i-Stock Zeferli

 5月14日土曜の夜、イタリアのトリノでユーロヴィジョン・ソング・コンテスト決勝大会が開かれた。ユーロヴィジョンの記事は去年も書いたけれど、ヨーロッパで戦争が起きる中での開催という意味で、今年の様子もご紹介したい。もちろん、話題になった曲や楽しい曲もご紹介するのでお楽しみに。

 ユーロヴィジョン・ソング・コンテストは視聴者2億人以上と言われる世界最大規模の歌の祭典で、ヨーロッパ各国(となぜかイスラエルとオーストラリア)の代表歌手が出場して優勝を競う。衣装や演出が派手だったりユニークだったりして、目でも楽しむことができる華やかなステージなので、どうしても日本の紅白歌合戦を思い出す。わたしはこのお祭りの陽気な感じが好きで、渡英して16年、ほぼ毎年テレビで見続けている。

 2020年はコロナで中止、去年はコロナが続く中での実験的開催、そして今年はヨーロッパ内で戦争が起きている中での開催だった。政治を持ち込まないのがユーロヴィジョンの決まりだけれど、今回は影響を避けられず、ウクライナに侵攻しているロシアとそれを支援するベラルーシは出場できなかった。

 反対に、戦禍に苦しむウクライナはなんとか出場を果たした。今年の代表、カルッシュ・オーケストラ(Kalush Orchestra)のメンバーは全員が18歳から60歳男性で、本来なら国を守るためウクライナを出ることはできない。ユーロヴィジョンのために特別な許可を取って出場した彼らは、リハーサルも思うようにできなかったそうだ。

 実は大会のずいぶん前から、優勝は同情票が入るウクライナに決まったも同然と言われていた。英国内の報道も友人たちの話も同じだったので、そういうものかなとは思ったけれど、自分では戦争の影響というものを予想しかねて、確信がもてないでいた。そういうわけで、今年は別の意味でもユーロヴィジョンに興味を持って観ることになった。

 決勝には、出場40か国のうち、予選を勝ち抜いた25組が楽曲を披露した。何はともあれ、当日のパフォーマンスを駆け足で紹介した動画をどうぞ。

ユーロヴィジョンのTwitter公式アカウントの投稿より。決勝での25組のパフォーマンスをぎゅっと濃縮して1分で再生した動画。こうしてチラ見すると、気になる映像がずいぶんあるでしょう?

 曲の中から印象に残ったものを独断で紹介すると、キャッチーな歌詞とメロディー、それに派手なダンスで盛り上げたルーマニア(国名をクリックするとユーロヴィジョンのYouTube公式アカウントから決勝での演奏が見られます。以下同様)、セクシーで激しいダンスを踊りながら息も音程も乱れなかったスペイン(肌を見せすぎという批判もあったけれど、個人的にはキュートだと思いました。結果は堂々の3位)、度肝を抜くバナナの衣装と不思議なダンスが観客も視聴者も沸かせたノルウェー、ステージ上で手を洗うシュールなパフォーマンスで国内の医療制度を歌ったセルビア、派手な曲に押されがちだけれど静かなハーモニーがさわやかだったポルトガルなど。もちろん正統派もいて、シンプルな演出で歌い上げたスウェーデンは、ユニークな個性派を押しのけて4位の好成績を残した。

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著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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