コラム

命を守る人が休めない社会でいいのか? 『レイトシフト』が映す過労の代償

2025年09月09日(火)13時34分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト、講師)

病院の外科部門で働く看護師フロリアが夜勤(レイトシフト=遅番)のため病院に入るところから物語が始まる。

【動画】スイスとドイツの合作映画『レイトシフト(原題:Heldin)』

未熟な研修生と彼女ともう1人のベテラン看護師だけで、ほぼ満床(25人)の入院患者の面倒を見なければならない。患者は入れ代わり立ち代わり呼び出しボタンを押し、不調と不満を訴える。


「今朝の検査結果をまだ知らされていない」「一刻も早く家に戻らなければならない(これは認知症患者)」「注文したハーブティーが届けられるのが遅いではないか(こちらは高額な民間医療保険に加入している患者)」。

さらに電話で新たな問題が舞い込んでくる。「病室に忘れた眼鏡が至急必要(退院患者)」とか。

フロリアはマルチタスクの達人ではあるが、誰にだって限界はある。そして、医療という舞台でその限界を超えたときの代償は、想像を絶する。

疲労困憊の看護師は投薬に致命的な誤りを起こす可能性があるし、危篤状態の患者への対応が1秒遅れ、それが命取りになる可能性もある。

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