コラム

命を守る人が休めない社会でいいのか? 『レイトシフト』が映す過労の代償

2025年09月09日(火)13時34分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト、講師)

こうした生死に関わるような重大なミスは、医療従事者に過度の負担を強いない体制を整えることで回避できる、と『レイトシフト』は訴える。映画は3つの統計で締めくくられる。

①スイスでは2030年までに看護師が3万人も不足すると予測されている
②スイスでは看護師の36%がたった4年で現場を去ってしまう
③国際的な医療保健機関の推定によれば、30年までに看護師が全世界で1300万人不足する見込みである


世界的に高く評価される日本の医療制度を維持するためにも、30年に向けて十分な人数を雇用し、彼らを適切に待遇しよう。休憩も大事。

NW_Tony_Laszlo.jpgトニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

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