「決められたこと」しかできない日本の介護は、もっと自由でいい

「高齢化先進国」イタリアの自由な介護
長男が留学中のイタリアも、高齢化が最も進んだ国の1つ。約4人に1人は65歳以上で、75歳以上は740万人。ここでも注目に値する動きはある。まず、お年寄りを「terza età(テルツァ・エタ)」、つまり「人生の第3段階」を送る人と呼ぶことが多い。「人生の第3段階、どうする」という言い方を使っただけで、高齢者という階層を前向きに受け止めていると感じる。
そして多くの地域では、自治体の補助金を投入して、まだ自立できる65歳以上の市民対象のシェアハウスを設けている。これは高齢者が本格的な介助を必要とする前から1人暮らしをやめ、支え合うスペースに入る、という試みだ。施設は日本の介護サービス付き住宅と似ていなくはないが、居住者の助け合いがメインで、施設スタッフによる「サービス」の部分はないか、もっと少なめだ。
実施している北部ルッカ市はこれを「近所との良好なネットワークを構築し、スペースとサービスを共有する」ための空間と説明している。居住者たちはルームメイト感覚で共に料理したり、共同空間に関する計画を立てたりすることが多い。自治体はこれらのスペースを町の中心部に置くことが多いので、商店街も活性化できている。
外国人投資家の不動産爆買いに迷惑しているのは日本人だけではない 2025.10.23
報じられなかった中国人の「美談」 2025.10.22
ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳 2025.10.17
日本人のスマホ依存症を減らすには、国や自治体が介入して規制すべき? 2025.10.08
「お茶を一服いかがでしょうか?」...飲み物に畏敬の念を込める日本とジョージアの共通点 2025.10.03
命を守る人が休めない社会でいいのか? 『レイトシフト』が映す過労の代償 2025.09.09
世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあるがなくさないでほしい 2025.08.31






