一人でオンライン会議中にもマスクいる?──必要なのは科学的根拠
日本では欧米と異なり、コロナ危機の最初の頃から、義務化されなくてもみんなきちんとマスクをしていた。大変ありがたいことだ。ただこれからは外でマスクを外すことが義務化されない限り、誰もマスクを外さなくなってしまうのではないか。
私が最も心配なのは子供たちのことだ。「顔を見せたくない」という少年や少女が多くなってきた可能性がある。表情を見せないと十分にコミュニケーションできないから、つまり彼らは他人とコミュニケーションを取りたくないのだろう。パンデミック期間なら仕方ないが、それ以外のときはマスクが社会に与える悪影響が大きすぎる。
携帯電話に没頭して1人の世界に閉じ籠もる人が増えているように感じるが、さらにマスクを着用するのは、「あなたと絶対に会話したくない」というメッセージが書かれた服を着るのと同じ。「出会いがない」と言う若者は多いが、この問題はマスクで悪化する一方だ。
最後になるが、特に注意すべきは4歳以下の子供だろう。2年以上前から、彼らが出会う人間は家族を除いて、ほぼ全員マスクを着けた「口のない」人だった。このかつてない状況で、この世代の人間性の発達はどうなるのか。今のところ誰にも分からないが、悪影響がないとは考えられない。
だからこそ感染のリスクがないときには、子供たちの未来を優先し、子供たちに笑顔を見せるためにマスクを外そう。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。twitter.com/karyn_nishi

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない 2025.04.25
小池知事に聞いてほしい、東京都が学ぶべきEUの留学制度 2025.04.09
12万人が関与、起源は台湾...中国「詐欺組織」が東南アジアで巨大化した理由 2025.04.03
生成AIで記事も動画も作れる今の時代に、記者としてすごく悩んでいること 2025.03.29
日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿る責任感とは? 2025.03.21
韓国大統領の弾劾裁判騒動に思う、「大統領降ろし」という当然の権利 2025.03.08
日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題 2025.02.26
-
外資企業向けB2B2X型の新規ビジネス開拓営業
東日本電信電話株式会社
- 東京都
- 月給47万円~83万円
- 正社員
-
大手町駅徒歩5分 外資系インフラベンダーPM
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員