技能実習生を「偽難民」にしてしまう日本の歪み
悪用はもちろんよくないが、だからといって彼らを批判できるだろうか。昔は不法残留(オーバーステイ)の中国人も難民認定の申請をしていた。最終的に難民に認定されることはまずないが、申請者の多くが当時1年単位で更新できたこの「ビザ」を使って必死に働き、自分のビジネスを立ち上げたり、日本人の配偶者を見つけたりして日本に居場所を見つけていった。名前は言えないが、私はそうした「元・難民認定申請者」を何人も知っている。
いずれにしても、根本的な問題は技能実習制度にある。それを解決しない限り、難民認定制度の悪用もなくならないだろう。日本はカッコつけるのをやめ、外国から単純労働者を正々堂々と受け入れればいいのにと思う。「アジア各国との経済格差が縮小しつつある日本に今後も来てくれるか」「コロナが収束しないことには受け入れどころではない」といった議論もあるが、労働力不足は待ったなしだ。
日本のお偉いさんたちにも当然、その認識はあるだろう。だって、難民に認定するつもりもないのに申請は受理するという制度の運用は、実は日本のひそかな「思いやり」なんじゃないかと思えるから──。
とはいえ、不法滞在者の増加は社会の混乱にもつながる。日本社会の安定のためにも、制度改正は喫緊の課題だ。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。
<2020年12月15日号掲載>
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