ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命防衛隊」の正体
IRAN’S GARRISON STATE

2008~09年には大統領選の不正に抗議する「緑の運動」が起き、各地で大規模な反政府デモが続いて、体制を大きく揺るがす事態となった。
このとき革命防衛隊は「モザイク」構造を採用し、国内に31ある州ごとに独自の指揮命令系統を持つ支部を編成して権限を分散し、中央からの指示が途絶えても各地の指揮官が動ける体制を整えた。
その際、万一の事態に備えて組織の幹部については後継者を事前に3人まで決めておくことにした。そして各地のバシジも統合した。ある意味、かつてのロシアでレーニン時代の共産党が採用した分散型「党細胞」の組織構造に似ていなくもない。
秘密工作を担う「クッズ部隊」
しかし、実を言うとイスラム化以前のペルシャ帝国にも同じようなモザイク構造があった。少なくとも1000年の長きにわたり、部分的な自治権を持つ属州(サトラピー)がいくつもあり、それぞれが独自の指揮命令系統を持っていた。
現在の革命防衛隊はイランで最も重要な機関であり、しばしば残忍な手段で治安維持の役割を果たしている。
22年秋に始まった「女性、命、自由」の大規模な反政府行動を殴打と発砲、性的暴行と拷問でつぶしたのは革命防衛隊とバシジだ。今年2月にも、反政府デモの鎮圧に当たり推定で3万人を虐殺している。
政界でも存在感を示す。イラン議会の現職議員の半数以上は元隊員で、現職議長のモハマド・バケル・ガリバフもその一人だ。





