仕掛人はなんと日本人...グラミー賞「初の海外進出」、ピラミッド前での豪華イベントの「裏側」

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史上初の試みの仕掛人である日本人「カナザワさん」とは？

実はこの史上初の試みの仕掛人は日本人「カナザワさん」だ。東京に拠点を置く不動産投資会社タイタンキャピタルを率いる金澤幸緒がこの計画を立ち上げた。

タイタンキャピタルは、金澤が15年前に3名で資本金500万円で設立した会社である。今では日本で「小さな巨人」と言われる、その業界では誰もが知る会社となっている。企業理念は「企業は恐竜にならない」であり、これは、恐竜の様に大きくなってしまうといつか滅びてしまうため、そうならない様に「どんな局面でもスピーディーに舵を切ること」、「フットワーク軽く動いていくこと」を念頭に置いた企業理念となっている。

金澤とは、一体何者なのか。そもそも、この壮大なプロジェクトの始まりは、意外にもエンターテインメントではなく「水」の技術にあった。金澤は約10年前、日本の研究者が開発した「空気から水を作り出す技術（空水機）」の権利を取得。ローマ教皇が「21世紀は水を巡る争いの時代になる」と予言したことに感銘を受け、即座に投資を決断した案件だった。

この日本の技術が、ナイル川の水質や水量に課題を抱えるエジプト政府の目に留まる。エジプトは国家プロジェクトとして水問題の解決を模索しており、軍事産業省との合弁で現地生産を開始することになった。この「水」を通じた信頼関係が、すべての土台になったわけだ。

信頼を得た金澤は、エジプト政府から首都移転計画（ニューキャピタル）などへの投資を打診され、現地視察を繰り返したという。その過程で、最近開館したばかりの大エジプト博物館（GEM）の隣接地（東京ドーム8個分）という一等地での開発の計画が決まる。